※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。

1. 事案の概要(相談前の状況)

依頼者:Aさん(30代男性・会社員)
状況:風俗店で女性キャストを盗撮したところ、それが見つかって、風俗店に示談金を支払う旨の同意書を書かされた。風俗店は本番を強要したとして、警察への同行も示唆していた。

依頼者は、風俗店を利用中、女性キャストをスマートフォンで盗撮したところ、その場で発覚し風俗店に呼び出されました。

風俗店事務所では、身分証の原本を預けさせられ、スマホ内の撮影データの復元・確認を受けるとともに、Aさんは反省文や示談金を支払う旨の同意書の作成をさせられ、さらに本番行為や盗撮の有無が記載された書面のチェック欄にまで署名させられました。しかしながら、Aさん本人は本番行為自体の記憶がなく、その点は事後的に大きな争点となりました。盗撮の件については、示談金の金額が争点となりました。

後日、風俗店は預かった身分証を交渉材料として保持したまま、被害感情を前面に出しつつ高額な示談金を求める姿勢を強めてきたため、依頼者としては身分証の早期返還と、刑事事件化・逮捕の回避、仕事への影響を最小限に抑えることを最大の関心事として相談に至りました。

2. 弁護士の対応と解決への流れ

いわゆる風俗店が相手方となる事案では、警察との連携なく対応を進めることは危険であるため、警察でも証拠が無ければ対応が難しい点を説明し、それでも一度、警察に話を聞いてもらうことを提案しました。結果として、刑事事件化はできなかったため、Aさんは弁護士を介して相手方との関係を示談によって清算することを希望し、弊所でご依頼をお受けすることになりました。なお、依頼の際は、身分証の返還を実現したうえ、現時点で請求されている金銭の支払を拒みつつ、相手方との関係を解消するという点をメインの目的として対応していくことを確認しました。

依頼を受けてすぐに、相手方に連絡をして、全ての対応窓口が弊所であることを伝えました。そして、相手方は弁護士が介入したことに反発しましたが、依頼者の身分証等を占有しているため刑事事件化する可能性もある旨伝えると、渋々弊所とのやり取りを受け入れました。その際、当方は少なくとも現在の金銭請求には応じることができないこと、本番行為はないこと等を毅然として伝え、対応いたしました。

相手方は、交渉の際、ところどころで威圧してくるような場面もありましたが、交渉の末、無事に身分証等の返還を受けたうえ、Aさんとの間で示談をした旨の合意書を取り交わすこともできました。

3. 解決結果と弁護士のコメント

解決金額:合計100万円(被害者女性3名及び風俗店への示談金)
刑事処分:刑事事件化を回避(逮捕・送致・前科なし)
職場・家族:影響なし

最終的に被害者女性3名及び風俗店を対象として、撮影行為について合計100万円の解決金を支払う内容で示談が成立しました。本番行為の有無も争点となっていましたが、この点は当方の主張が相手に受け入れられました。

結果として、盗撮行為について刑事事件化を避けることができたため、依頼者に逮捕や検察庁への送致・前科といった刑事上の不利益は発生していません。依頼者にとっては、職場への影響、報道・前科前歴といったリスクを回避したまま、民事的な示談で事件を終結できたことが最大の成果といえます。

また、本件のように、身分証が預かられており、示談金を支払う旨の同意書が既に作成されているという状況は、極めて不利な状態からのスタートとなってしまいます。加えて、身分証を握られ続ける状況では、依頼者の心理的負担も極めて大きいです。しかしながら、弊所ではこれを早期に解消すべく「身分証の問題」と「示談交渉」を切り分けたことで、依頼者に生じる過度な心理的圧力を解消しつつ、相手方とは適正な示談による関係清算を図ることができました。早期に法的見解を示し、適切に対応をすれば、警察介入前の段階で収束させることが十分可能です。

もちろん警察のように強制力を背景とする強い威嚇をもって対応するということを弁護士はできませんが、被害の予防や拡大回避のため、民事事件として対応しつつ、不当要求事案に対応していくことは可能です。

早期の介入が鍵となりますので、弊所までお気軽にご相談いただきたく思います。

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