※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。

事案の概要(相談前の状況)

依頼者:Aさん(30代男性・会社員)
対象店舗:デリヘル
状況:本番行為を主張され、100万円の示談金を要求された

Aさんはデリヘルを利用中に女性と素股をしていたところ、一瞬挿入をしてしまい、それが本番行為に当たると女性から主張されました。

Aさんの認識としては、そもそも射精をしていないこと、女性から挿入をやめるよう指示されなかったことなどから、さらに事前予約の際のサイト上の過激な画像等も踏まえて「大丈夫だろう」と誤った判断をして、一瞬ではあるものの挿入をしてしまったとのことです。

その後、ホテルを出ると店舗の人が待ち伏せており、Aさんはその場で警察に被害届を出されたくなければ100万円の示談金を支払うよう要求されました。そして3時間ほど話し合いましたが、結局100万円を支払う旨の誓約書にサインのうえ、免許証のコピーや車検証の原本を回収されてしまいました。

そのような状態で弊所に示談交渉のご依頼をされました。

弁護士の対応と解決への流れ

当然ですが、まず依頼者から詳細な経緯を聴取し、挿入行為の態様や同意の有無、射精の有無、ホテルでの会話内容などを整理したうえで、今後刑事・民事の両面で想定されるリスクと選択肢を説明しました。併せて、既に店舗側に免許証コピーと車検証原本を押さえられていること、示談金支払いの誓約書に署名済みであることから、証拠関係と心理的負担の両面で依頼者に非常に不利な状況である点も確認しています。

他方で、店舗側の対応として、繰り返し自宅・実家周辺を訪れたうえ、依頼者の親にまで事情を説明して示談金を要求したこと、さらには会社にも連絡し「トラブルを抱えている」と連絡するなど、恐喝や名誉毀損ともいえる行為が看取されたため、弁護士から相手方に対し「これ以上の実家・会社への接触は名誉毀損・恐喝に当たり得る」と警告し、警察対応も視野に入れて対応をしました。

実際に警察に対し事情説明と相談を行い、警察を介しても店舗側への注意・警告を致しました。さらに並行して、店舗の実態把握のため、公安委員会に対して「無店舗型性風俗特殊営業開始届出書」に関する行政文書開示請求を行い、店舗名・営業区域・連絡先等の公的情報の開示を受けるなど、今後の交渉や万一の訴訟を視野に入れた対応も進めました。

解決結果と弁護士のコメント

請求額:100万円 ➡ 解決金額:30万円
刑事処分:なし(被害届提出なし)
職場・家族:弁護士介入後、接触停止

典型的な風俗トラブルの類型ですが、このケースは、金銭支払の誓約書に署名をしていること、身分証のコピーを控えられていること、車検証の原本を取られていることが問題です。

しかしながら、本件は結果的に、被害女性への慰謝料等として30万円が支払われる内容で示談が成立し、当初店舗側が主張していた100万円の高額な請求から大幅な減額を実現することができました。また、車検証の返還とともに、示談書において、当初控えられた身分証に関する情報の破棄の条項を盛り込むことにも成功いたしました。

本件のように、風俗店側に免許証や車検証原本を握られ、高額な示談書への署名も済んでいるケースでは、依頼者は相手方の言いなりにならざるを得ないと感じがちであり、実際に自宅・実家・職場への接触が行われると心理的圧力は極めて大きくなります。

しかし、弁護士介入により必要に応じて警察とも連携しながら法的な視点から冷静に状況を整理することで、過度な要求を退けつつ、適正な金額と条件を内容とする示談に導くことは十分可能です。

風俗トラブルにおける高額な示談金請求や過度な取立て行為に直面した場合でも、記録や証拠を適切に保全しつつ、警察との連携を含めた法的対応を早期に講じることで、被害の拡大を防ぎ、依頼者の生活・信用へのダメージを最小限に抑えた解決を図ることができます。

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