※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。
1.事案の概要
対象店舗:デリヘル(ラブホテル)
状況:ラブホテルに警察官が臨場(Tさんはその場から逃走)
Tさんは、日頃から仕事が激務であり、たまの休日にふとした思いつきで風俗店を利用しようと思い立ち、デリヘルに連絡しました。
そして、Tさんは、繁華街にあるラブホテルでデリヘルのキャストからサービスを受けているうちに、キャストからお小遣いをくれるなら本番行為をしてかまわないと言われ、金銭は後払いの約束で、キャストと性交渉をしました。
Tさんは、性交渉が終了してからキャストに対し金銭を渡そうとしましたが、財布に入っている現金が足りないことに気づき、そのことをキャストに伝えました。すると、キャストは、「話が違う、お金を払えないのであれば本番行為はしなかった、店舗と警察にこのことをいう」と感情を露わにして怒り出しました。
Tさんは、キャストの激昂している様子をみてキャストや店舗から高額な金銭請求をされるのではないか、警察に逮捕されたらどうしようと不安になり、急いでその場から離れなければならないと咄嗟に考えて、ホテル代を支払うこともなくホテルから立ち去りました。
その後、Tさんは、しばらくホテル周辺にとどまり、ホテルの様子をうかがっていたところ、警察のパトカーがホテルに到着する様子を確認しました。そして、しばらくすると、店舗と警察の電話番号からTさんの携帯電話に着信が相次ぎました。
Tさんは、店舗と警察からの着信には応答しませんでしたが、デリヘルでのトラブルが店舗と警察に発覚したことにより、順調だった仕事や家庭に影響がでることを非常に恐れ、今後の対応をどのようにしたらいいかと弊所に相談しました。
2.解決への流れ
①弁護方針
まず、Tさんから詳細にヒアリングを行い、Tさんは金銭の支払いについてキャストを騙す意思は全くなく、キャストが金銭の対価として性交渉をすることについて同意していたことは間違いないということだったので、不同意性交等罪の成否については争う余地があると判断しました。
もっとも、同種の事案で、キャストの供述と男性側の供述の内容が一致することは少なく、キャストの供述に基づいて警察が捜査を進めるリスクも否定できないため、警察の動向を見極めながら示談交渉をすることも視野にいれて対応を進めることにしました。
②初動の対応
既に店舗のみならず、警察からもTさんに電話の着信があり、Tさんはラブホテルの料金も支払わずホテルから立ち去っていたため、早急に弊所から警察に連絡して、弊所がTさんの代理人として対応することを伝えました。
警察からは、早急にTさんに警察署に来てもらい話を伺いたいということでしたので、同日のうちに弊所の弁護士がTさんに同行して警察署へ出向き事情を説明しました。
弁護士から警察に事情を説明したところ、警察はキャストから被害相談は受けているものの、不同意性交等罪での被害届は受理していないという回答を得ましたが、Tさんがトラブルの現場から立ち去ったことについては厳しく指摘を受けました。これに対しては、弊所の弁護士が当時Tさんはキャストの様子に畏怖して混乱しておりその場から離れることがやむをえない状況だったことや、現在は弁護士を通じて真摯に対応する意向であることを説明し、警察に理解を求めました。
その後、同日のうちに、弊所の弁護士がTさんに同行して、現場となったラブホテルに赴き、ホテルの料金を支払ってその日の対応を終えました。
③示談交渉
弊所から店舗に連絡をして、当初の方針通り、本番行為そのものについては女性は同意していたという主張をしました。それに対し、店舗側は、キャストは本番行為について同意しておらず、Tさんとしても無理やり本番行為をしたからこそ現場から逃走したのだろうと不同意性交等罪が成立すると主張をしました。そして、当方からもキャストの主張には客観証拠は乏しく、Tさんが現場から離れたのは女性の反応に動揺して混乱したからにすぎない等と反論を重ねました。
粘り強い交渉の結果、店舗とキャストは早期解決を望み、示談が成立しました。
3.解決結果と弁護士のコメント
刑事処分:警察への被害届の提出なし(逮捕回避・前科つかず)
職場・家族:発覚することなく解決
本件は、デリヘルでのトラブルが発生した当日に依頼者が現場から逃走し、現場のホテルに警察が臨場し、即座に警察から依頼者に対し連絡が入るという非常に切迫した同種のトラブルでも珍しい事案でした。
デリヘルでのトラブルは、密室での出来事であるため、キャストの供述と依頼者の供述しか証拠がないケースが多いですが、キャストの供述のみで警察が不同意性交等罪で被害届を受理して捜査が進むリスクがありますので、早期かつ慎重に対応することが必要です。
本件では、Tさんがトラブル発生直後に現場から逃走していたことが警察の心証を悪くしていましたが、即日弁護士が介入して警察に丁寧な説明をし、ホテル代の支払いや示談交渉を進めることで、事件化することなく早期かつ円満にトラブルを解決することができました。
デリヘルでのトラブルは、対応が遅れることにより解決が困難になるケースがありますので、万が一トラブルに巻き込まれた際は、お早めに弊所までご相談ください。
| 誰でも気軽に弁護士に相談できます |
|