ホテル、旅館のキャンセル料の注意点と回収の流れ

ホテルや旅館では、前日や当日にキャンセルされて「キャンセル料」が発生するケースが非常に多いです。ところが無断キャンセルされて連絡がつかなくなったりして、キャンセル料の踏み倒しの被害に遭う可能性も高いのが現状です。

今回は、ホテルのキャンセル料回収の流れや弁護士に依頼するメリットをご紹介します。

目次

1.キャンセル料請求の流れ

1-1.メール、電話、郵便による督促

ホテルで未払いになっているキャンセル料を請求する場合、まずは電話や郵便、メールなどでキャンセル料の督促を行いましょう。

ネットで予約を受け付けている場合には、登録されたメール宛てにキャンセル料の金額と支払期限、入金先を伝えます。それでも支払がない場合、電話をかけたり普通郵便で督促状を送ったりしてみましょう。この段階で支払ってくる人も多いので、手間を惜しむべきではありません。

工事代金、下請代金請求の流れ

1-2.内容証明郵便で請求する

上記の穏便な方法によっては支払いを受けられない場合には、内容証明郵便を使って督促状を送ります。そこには未払いになっているキャンセル料と遅延損害金の合計を一括払いするように要求し、相当期間内に入金がない場合には法的措置をとる可能性があることも記載しておきます。これにより、相手がプレッシャーを感じて支払いに応じることがあります。

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1-3.少額訴訟、支払督促を検討する

内容証明郵便を送付しても音沙汰がない場合などには、少額訴訟や支払督促などの裁判手続きにまで進めるかどうか、費用対効果も踏まえて検討します。

2.キャンセル料請求の注意点|消滅時効

ホテルや旅館のキャンセル料を請求するときには「時効」に注意が必要です。

一般的な民事債権の時効は10年ですが、ホテルなどの宿泊料には「1年」の短期消滅時効が定められているからです。キャンセル料も、1年以上放置していると時効にかかって請求できなくなってしまいます。

時効を止めるには、内容証明郵便による督促が有効です。取り急ぎ内容証明郵便で請求をすれば6か月間時効が停止します。その間に支払督促や訴訟などの裁判手続きをとれば、確定的に時効を中断させることができます。

3.キャンセル料請求を弁護士に依頼するメリット

ホテルや旅館において、自社スタッフがすべての債権回収を行うのは現実的ではありません。

電話、メール、手紙での督促までは自分たちでできても、内容証明郵便の発送や交渉、訴訟手続きなどは専門のスキルを持った弁護士に依頼すべきです。

弁護士であれば、ホテルや旅館の規模や状態、キャンセル料の金額、相手の態度などの状況に応じてもっとも費用対効果の高い方法を選択して的確に債権回収を進められます。

キャンセル料の踏み倒しにお悩みのホテル、旅館の方は、是非とも一度ご相談下さい。

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