物件を賃貸していると、さまざまな法的トラブルが発生するものです。
以下では賃貸借契約でよくあるトラブル事例をご紹介していきます。
1.賃借人が賃料を払わない
賃借人が賃料を払わないためにトラブルになる事例は非常に多数あります。早期に回収することが重要で、相手が任意に払わないなら賃貸借契約解除や訴訟も検討する必要があります。
2.単身者用のマンションで、賃借人が勝手に同棲している
単身者用として貸し出したのに、賃借人が勝手に恋人などと同棲するケースがあります。
この場合、同棲が発覚したからと言ってすぐに契約解除できるわけではありません。
賃借人とよく話し合い、同棲を解消してもらうか退去してもらうか契約条件を変えて賃料を上げるなど、何らかの対応をとりましょう。
3.修繕に関するトラブル
物件に不具合が起こって修繕に関するトラブルが発生する事例もたくさんあります。
基本的に大家には賃借人に物件を適切な状態で提供すべき義務があるので、天変地異を含めて自然に壊れた場合には大家が修繕対応すべきです。ただし賃借人の故意や過失によって破損した場合には、賃借人に負担を求めることができます。
故障や不具合が発生したときには、原因を特定して誰に責任があるのか検討する必要があります。
4.原状回復の範囲に関するトラブル
契約終了時に原状回復の範囲についてトラブルが発生するケースが多々あります。
賃貸借契約が終了すると賃借人は基本的に物件を「原状に戻して」返還しなければなりません。ただし「完全に元通りにすべき」という意味ではなく、経年劣化分についてはそのままの状態で返還してもかまいません。
賃借人が負担すべき費用は、たとえばタバコを吸っていたりペットを飼っていたりしたために通常の経年劣化以上に物件が傷んだケースなどでの補修費用や壁の貼り替え費用等です。
大家が原状回復費用として過大な費用を請求すると、賃借人との間でトラブルが発生するので、必要な範囲を算定する必要があります。
5.敷金返還に関するトラブル
賃貸借契約では「敷引き特約」がつけられているケースがあります。敷引き特約とは、賃貸借契約終了時に大家が敷金の一部を差し引く特約です。
賃借人が消費者の場合、敷引き特約による差引分が大きくなっていると、「消費者契約法」に反して特約が無効と判断される可能性が高くなります。消費者から敷金返還請求が起こってトラブルになる事例もあるので注意が必要です。
賃貸物件を経営していると、上記の他にもさまざまな法的トラブルが発生するものです。当事務所では不動産事業者様へのサポートに積極的に取り組んでいますので、是非とも顧問弁護士としてご活用下さい。