不動産の賃貸業を行う場合、物件を購入したり経営を進めたりする中でさまざまなトラブルに巻き込まれるものです。
以下ではよくある不動産トラブルの事例をご紹介します。
1.想定していた利回り率と異なる
不動産賃貸業を行っていると、不動産会社から「良い物件ですよ」などと投資用の物件を薦められるケースがあります。その際、不動産会社から「想定される利回り率」を聞いて対象物件に価値があるかどうかを判断するものです。
しかし不動産会社が説明する利回り率は、実際の利回り率と異なる可能性があります。不動産会社は物件を売るために高めの利回りを想定しているため、購入語、実際には思っていたほどの収益が上がらないといったトラブルが多々あります。
こうした問題を防ぐには、不動産会社の説明を鵜呑みにせずに自分で利回り計算を行って、収支のシミュレーションをしてから購入する姿勢が必要です。
2.二重譲渡
不動産を購入するとき、二重譲渡のトラブルに巻き込まれる危険もあります。二重譲渡とは、1つの不動産を2人の買主に譲渡することです。
この場合、基本的に先に登記を完了した方が優先的に不動産の所有者となります。
劣後してしまった場合、売主に代金返還請求できますが、売主が逃げてしまっていたら返還を受けられない可能性も発生します。
二重譲渡の被害に遭わないためには、信用できる相手としか契約をしないことです。たとえば不動産仲介業者を介さずに個人から直接不動産を購入するのは危険なので、よほどのことがない限りやめた方が良いでしょう。
3.空き室リスク、アパートローンの返済が苦しくなる
収益用の不動産を購入する際には、アパートローンを利用するのが通常です。ローン返済は得られた賃料収入の中から行うことを予定します。
しかし、予想外に空き室が多くなってしまった場合などには期待していた賃料収入を得られず、ローン返済が苦しくなってしまいます。賃貸経営が破綻する原因にもつながります。
4.サブリース業者との間のトラブル
賃貸物件の経営でサブリース業者を利用すると、さまざまなトラブルの要因になります。当初契約時に「家賃保証」などと説明されても、契約期間の更新のたびに家賃を下げられるケースもありますし、敷金や保証金はサブリース業者にとられるのに修繕費用だけは賃貸人の負担となるなど不利益もあります。
物件についてずさんな管理をされた上、最終的に業者に逃げられるケースなどもみられます。サブリースがすべて悪というわけではありませんが、利用の際には細心の注意が必要です。
賃貸物件の経営をする際には、さまざまな法的トラブルに注意が必要です。安全に賃貸業を行うため、顧問弁護士を活用してみてください。