- 遺産分割協議で話し合いをしても、他の相続人と合意できない
- 連絡を取れない相続人がいる
- 他の相続人が遺産を隠している
- 他の相続人が遺言書を示しているが、偽物だと思う
遺産分割協議をしようとしても、さまざまな理由で調わないケースがあるものです。以下ではパターン別の対処方法をご紹介していきます。
1.話し合いをしても他の相続人と合意できない
相続人の範囲も相続財産の範囲も確定しており、全員で遺産分割協議の話し合いを行ったけれど、意見が合わず成立しないケースがあります。
その場合には、家庭裁判所で「遺産分割調停」を申し立てて解決を目指します。
遺産分割調停を申し立てるときには「相続人全員が当事者」になる必要があります。意見が合致している相続人と共同で「申立人」となり、意見の合わない相続人を全員「相手方」としましょう。
管轄の裁判所は、相手方の住所地の家庭裁判所です。相手方が複数いる場合にはそのうち1人の住所地の家庭裁判所で申立てをしましょう。
2.連絡を取れない相続人がいる
連絡を取れない相続人がいる場合、住所地に居住していることが明らかであれば、遺産分割調停で手続きを進められます。
一方行方不明になっている場合には、その相続人についての「不在者財産管理人」を選任し、代わりに遺産分割協議を進めてもらう必要があります。不在者財産管理人を選任してもらうときには、本人の最終の住所地の家庭裁判所で申立てをします。
不在者財産管理人が選任されたらその人を交えて遺産分割協議を進め、合意ができたら遺産分割協議書を作成して相続手続きを行います。
3.他の相続人が遺産を隠している
他の相続人が遺産を隠している疑いがあり、遺産分割協議が紛糾するケースもあります。
その場合には、まずは遺産の範囲を確定しなければなりません。預貯金などの照会を行って隠し財産を明らかにします。
また「子ども名義になっているが実は親の遺産が入金されている疑いのある預金口座」などがあれば「遺産確認訴訟」を行って遺産の範囲を確定すべきケースもあります。
4.遺言書が有効か無効か争われている
遺言書が残されているが、それを「有効」と主張する相続人と「無効」と主張する相続人がいて遺産分割協議ができない場合もあります。
その場合には、まずは「遺言書の有効性」を確認しないと遺産分割協議に入れません。「遺言無効確認調停」や「遺言無効確認訴訟」を行って、法的に遺言書の有効性を確定させる必要があります。
以上のように「遺産分割協議が調わない」ケースにもいろいろなパターンがあるものです。お困りの際には弁護士が法的なサポートを行いますので、まずは1度、ご相談ください。