不同意性交罪や不同意わいせつ罪などの性犯罪の被害者となってしまったら、相手にどのくらいの慰謝料を請求できるのでしょうか?
またどのようにして損害賠償請求を進めれば良いのか、請求方法も合わせて解説します。
1.不同意性交等罪の慰謝料相場
不同意性交罪とは、以前に「強制性交等罪」と言われていた犯罪です。
性犯罪の厳罰化によって法改正され、不同意性交罪と名前が変更されています。
強制性交等罪は、相手の性的な意思決定権を侵害し、人格権を踏みにじる非常に悪質な犯罪ですので、慰謝料も高額になります。
慰謝料の金額の相場としては、100~500万円程度となるでしょう。
2.不同意わいせつの慰謝料相場
不同意わいせつとは、性的な行為に同意しない意思の「形成」「表明」「全う」が困難な状態にさせて相手にわいせつな行為を行うことです。
不同意性交ほどではありませんが、やはり相手の性的な自由を侵害する重大な違法行為です。
強制わいせつの場合の慰謝料相場は、だいたい30~200万円程度です。
3.慰謝料の計算方法は?
不同意性交や不同意わいせつの慰謝料の金額にはかなり幅があります。
以下のような事情があると、慰謝料が高額になりやすいです。
- 被害者の年齢が低い
- 犯行が計画的だった
- 暴行や脅迫の内容が悪質
- 犯行態様が執拗だった
- 特定の相手に対する複数回の犯行
- 被害者側の過失の有無、程度(過失が低いほど慰謝料が高額になる)
不同意性交や不同意わいせつで慰謝料請求する際には、上記のような事情を考慮して妥当な請求金額を計算しましょう。
4.不同意性交罪や不同意わいせつの慰謝料請求方法
不同意性交や不同意わいせつで慰謝料請求するには、以下のような手順で進めます。
1 内容証明郵便で請求書を送る
まずは相手に対し、内容証明郵便で慰謝料の請求書を送ります。
ご自身で請求するのが難しい場合、弁護士が書面作成と請求を代行することが可能です。
2 話合いをする
相手に請求通知を送ったら、慰謝料の金額や支払い方法について相手と話し合う必要があります。
3 合意して慰謝料を払ってもらう
相手と合意できたら、合意書を作成して慰謝料を支払ってもらいます。
4 損害賠償請求訴訟を提起する
話合いによっては合意できない場合、相手が請求を無視する場合などには、損害賠償請求訴訟を提起して、相手の責任を追及する必要があります。
5 損害賠償命令制度を利用する
相手の刑事事件の「損害賠償命令制度」を使って解決する方法もあります。
これは、相手の不同意性交や不同意わいせつの刑事裁判が終了した後に、同じ裁判所で「損害賠償命令」を出してもらえるものです。
損害賠償命令制度を利用すれば、あなた自身が民事裁判を起こして相手の責任を追及しなくても、判決と同じ強制力を持った支払い命令を出してもらえます。
不同意性交や不同意わいせつの被害に遭ったら、誰にも相談しにくいものです。
そんなとき、弁護士がお力になりますので、お一人で悩まずに、弁護士にご相談下さい。