別れた後も金銭や物品の要求が続き、応じなければ勤務先に電話をかけられる。警察や弁護士に相談しようとすれば、それを思いとどまらせるような言葉を向けられる――。本記事では、弁護士が介入し、相手方から接触禁止等の誓約書を取得して解決した経緯を紹介します。
※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。
事案の概要(ご相談前の状況)
金銭の要求と勤務先への電話が続き、相談することもためらっていた
依頼者は、関東地方在住の会社員女性です。数年にわたり交際し同棲していた相手方と、関係を解消しました。同棲していた期間、相手方は無職の状態が続いており、家賃や食費といった生活費は依頼者が負担していました。
関係の解消後も、相手方からは金銭や食料を送るよう繰り返し求められました。依頼者は当初これに応じていましたが、際限がないと感じて断ったところ、今度は「約束を破った」「裏切られた」といった非難が続くようになりました。
さらに相手方は、依頼者が電話に出ないと勤務先に直接電話をかけるようになり、実際に勤務先へ複数回の着信がありました。依頼者にとっては、個人的なトラブルに職場を巻き込まれること自体が大きな負担でした。加えて、警察や弁護士に相談すれば自ら命を絶つといった趣旨の発言を向けられていたため、誰にも相談できない状態が続いていました。
このままでは状況が悪化する一方だと考えた依頼者は、自身での対応に限界を感じ、当事務所へ対応を依頼されました。
弁護士の対応と解決への流れ
受任通知の送付後に直接交渉し、誓約書の提出を求めた
受任後、担当弁護士はただちに受任通知を作成し、内容証明郵便と普通郵便の双方で相手方に送付しました。相手方が普段生活している住所では受け取られない可能性があったため、住民票上の住所にも併せて送付し、確実に内容が伝わるようにしています。あわせて依頼者には、相手方から連絡があっても応じないこと、万一応答してしまった場合には当事務所の名称を告げて通話を終えることを助言しました。
書面の到達後、担当弁護士は相手方に直接電話をかけ、勤務先へ繰り返し電話をかけたこと、依頼者から金銭や物品の交付を受けていたこと、生活費を負担させていたことなど、事実関係を一つずつ確認しました。相手方は当初あいまいな受け答えをしていましたが、担当弁護士がメッセージの履歴等の資料を確認済みであることを伝えたところ、事実関係を認めました。
そのうえで担当弁護士は、事実を認めて誓約書を提出するのであれば穏便な解決を検討できること、他方で事実を否定するのであれば刑事手続も含めて検討せざるを得ないことを明確に伝えました。相手方はこれを受けて、誓約書を提出する意向を示しました。
担当弁護士は、依頼者本人および関係者への連絡・接触を行わないこと、勤務先への連絡を行わないことなどを内容とする誓約書を作成し、返送期限を定めて相手方に送付しました。相手方からは、期限内に署名押印のうえ誓約書が返送されました。
なお、相手方が依頼者宅に残していた私物についても、依頼者と相手方が直接やり取りすることのないよう、当事務所が窓口となって処理方針を調整し、引き渡しや処分の手続を完了させています。
解決結果と弁護士のコメント
解決内容
- 依頼者本人・関係者・勤務先への連絡や接触を行わないことを内容とする誓約書を取得
- 相手方に事実関係を認めさせたうえで、金銭の支払いなく解決
- 残置物の処理についても、依頼者が相手方と直接やり取りすることなく完了
- ご依頼からおよそ1週間で相手方が事実を認め、約3週間で誓約書の返送を受けた
担当弁護士からのコメント―元交際相手からの嫌がらせは弁護士にご相談を
別れた後も連絡や要求が続き、応じなければ勤務先に電話をかけられるといった行為は、その態様によっては業務妨害や迷惑防止条例違反などの問題となる場合があります。
この種のトラブルで特に多いのが、本件のように「相談したら自分がどうなるかわからない」といった言葉によって、相談そのものを封じられてしまうケースです。そうした発言に責任を感じてお一人で抱え込んでしまう方は少なくありませんが、相手方の言動の結果まで依頼者が背負う必要はありません。
弁護士が代理人として介入すると、相手方に対して、事実関係を法的に整理したうえで行為の中止を求めることができます。本件のように、事実を認めさせたうえで書面による誓約を取り付けておけば、万一行為が再開した場合にも、その書面を前提に対応を進めることができます。
また、こうした事案では、私物のやり取りなど、当事者が顔を合わせるきっかけが残ってしまうことがあります。そうした点まで含めて代理人が窓口となることで、接触の機会そのものをなくすことができます。
元交際相手からの執拗な連絡や、勤務先への嫌がらせにお悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度当事務所にご相談ください。
