飲食店で酔って転倒し、その場にいたスタッフに怪我をさせてしまった。後日、治療費等を請求されたうえ、勤務先にまで連絡が入った――。本記事では、弁護士が交渉を引き受け、約2週間で示談を成立させた経緯を紹介します。
※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。
事案の概要(ご相談前の状況)
店内での転倒でキャストに怪我をさせ、勤務先にも連絡が入った
依頼者は、関東地方在住の会社員男性です。接客を伴う飲食店(キャバクラ)を利用した際、酩酊して転倒し、その場にいたキャストに怪我を負わせてしまいました。
後日、相手方から、全治約10日間の怪我を負ったとして治療費等の支払いを求められました。さらに相手方は依頼者の勤務先にも連絡を入れており、依頼者は、職場での立場に影響が及ぶのではないかという不安を抱えることとなりました。あわせて、相手方が警察にも相談していることがわかり、刑事事件として扱われるのではないかという懸念も生じていました。
依頼者としては、相手方に怪我を負わせてしまった以上、相応の対応をしなければならないとは考えていたものの、請求されている金額が妥当なのか、どこまで応じるべきなのかを自分で判断することができませんでした。直接やり取りを続けることでかえって話がこじれることも懸念され、当事務所にご相談のうえ、ご依頼いただきました。
弁護士の対応と解決への流れ
受任直後に交渉を開始し、約2週間で合意書を締結
受任後、担当弁護士はただちに相手方と直接連絡を取り、以後の交渉窓口を当事務所に一本化しました。依頼者ご本人が相手方と直接やり取りする必要のない状態を、早い段階で確保しています。
相手方からは、慰謝料相当額に加え、診察代や診断書作成の実費、怪我によって勤務できなかった時間分の補償を加えた金額であれば和解に応じる、との回答がありました。担当弁護士は、診断書や領収書といった裏づけ資料の提示を求め、内容と金額の妥当性を確認したうえで、依頼者に報告し、合意に向けた手続を進めました。
交渉にあたっては、双方のプライバシーにも配慮しました。相手方から個人情報の取扱いについて強い要望があったため、相手方の氏名や住所が記載された資料は、依頼者に共有する際にマスキングを施したうえで確認していただく形を取りました。
合意書の作成では、金銭の支払いにとどまらず、その後の安心につながる条項を整えました。依頼者のご意向を踏まえ、相手方が保有する依頼者の名刺を破棄し、連絡先データを削除したことを誓約する条項を設けたほか、相手方からの要望も踏まえ、依頼者側も相手方の個人情報を削除済みであることを誓約する、双方が義務を負う内容としました。
合意書の締結後は、当事務所の預り金口座を経由して解決金を相手方に送金し、履行を確認しています。さらに担当弁護士は、相手方が相談していた警察署に連絡を取り、被害届の受理には至っていないこと、和解が成立したのであれば今後捜査を進める予定はないことを確認しました。ご依頼から合意書の締結までは約2週間、送金や確認を含めた事件の終了までは約1ヶ月でした。
解決結果と弁護士のコメント
解決内容
- 解決金約22万円の支払いにより示談が成立し、合意書を締結
- 双方が相手方の個人情報を保有しないことを相互に誓約する内容で合意
- 警察に確認し、被害届の受理には至っておらず、和解成立により捜査が進められる予定がないことを確認
- ご依頼から合意書の締結まで約2週間、事件終了まで約1ヶ月
担当弁護士からのコメント―飲食店でのトラブルで示談をお考えの方は弁護士にご相談を
飲食店での出来事であっても、相手に怪我を負わせてしまった場合には、損害賠償責任に加えて刑事責任が問題となることがあります。勤務先に連絡が入る、警察に相談されるといった事態に至ると、日常生活や仕事への影響も大きくなりますので、早い段階での対応が重要です。
ご本人だけで示談交渉を進めると、請求額が妥当なのかを判断できないまま応じてしまったり、逆に感情的な対立から交渉が長引いてしまったりすることがあります。弁護士が窓口となり、診断書や領収書といった裏づけ資料の提示を求めたうえで交渉することで、適正な範囲での解決を図れる場合があります。
また、示談は金額だけの問題ではありません。個人情報の取扱いなどを書面で定めておくことで、後日の蒸し返しを防ぎ、双方が安心して区切りをつけられる場合があります。捜査機関が本格的に動き出す前の段階であれば、示談の成立によって刑事事件化を避けられる場合もあります。
飲食店でのトラブルで示談をお考えの方、請求を受けてどう対応すべきか判断がつかずお困りの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度当事務所にご相談ください。
