- 不倫の慰謝料を請求され、弁護士に依頼すべきか迷っている
- 弁護士費用がいくらかかるのか分からず、相談をためらっている
- 請求額に対して費用倒れにならないか知りたい
こんな悩みにお答えします。
慰謝料を請求されたとき、多くの方が最初に気にされるのが「弁護士に頼むと、いくらかかるのか」という点ではないでしょうか。
しかし、請求された金額をそのまま支払わなければならないとは限りません。弁護士が入ることで減額や支払い自体の回避につながるケースもあり、費用を差し引いても依頼した方が結果的に負担が軽くなる場合があります。
一方で、請求額によっては弁護士費用の方が高くつく「費用倒れ」になる可能性もあるため、依頼前に見通しを確認しておくことが大切です。
本記事でわかることは、以下のとおりです。
- 慰謝料を請求された側の弁護士費用の全体像と内訳
- 請求された側の報酬金がどのように計算されるのか
- 費用倒れにならないかを判断する目安
- 依頼した方がよいケースと依頼のタイミング
- 費用を抑えるためにできること
最後まで読むことで、ご自身の状況で弁護士に依頼すべきかどうかを判断するための材料がわかります。ぜひ最後までご覧ください。
慰謝料を請求された側が弁護士に依頼する場合の費用

慰謝料を請求された側の弁護士費用は、請求された金額や解決までの段階によって変わります。まずは全体像を押さえておきましょう。
- 費用の全体像
- 交渉段階と訴訟段階での違い
- 費用を支払う時期
費用の全体像
弁護士費用は、主に法律相談料・着手金・報酬金・実費で構成されています。
現在、弁護士費用は各事務所が自由に定めており、一律の基準はありません。不貞行為の慰謝料に関する弁護士費用は、着手金と報酬金を合わせて数十万円程度となる事務所が多い傾向がありますが、料金体系は事務所ごとに異なります。当事務所の具体的な金額については、料金ページをご確認ください。
交渉段階と訴訟段階での違い
弁護士費用は、交渉で解決する場合と訴訟に進む場合とで区別されているのが一般的です。交渉段階での依頼は、相手方との連絡や示談書の作成が中心となるため、訴訟に比べて費用が抑えられる傾向があります。
一方、訴訟に進むと書面の作成や期日への出頭が必要となり、追加の着手金や日当が発生する場合があります。
費用を支払う時期
着手金は依頼時、報酬金は解決時に支払うのが基本的な流れです。実費は、依頼時に一定額を預かる方式と、発生の都度精算する方式があります。
手元の資金に不安がある場合は、依頼前に支払い時期を確認しておくと安心です。
弁護士費用の内訳

弁護士費用は、いくつかの項目に分かれています。それぞれの意味を理解しておくと、見積りの内容が把握しやすくなります。
- 法律相談料
- 着手金
- 報酬金
- 実費・日当
法律相談料
法律相談料は、正式に依頼する前の相談に対して発生する費用です。時間単位で設定されることが多く、30分あたり5,000円程度とする事務所が一般的でしたが、現在は初回相談を無料としている事務所も増えています。
慰謝料を請求された場合、まずは相談の段階で、請求の妥当性や減額の見込みを確認することが重要です。
着手金
着手金は、依頼した時点で支払う費用です。結果にかかわらず返還されないのが原則で、弁護士が事件に着手するための対価と位置づけられています。
慰謝料を請求された側の場合、着手金は請求された金額を基準に算定されることもあれば、定額で設定されることもあります。着手金は結果にかかわらず発生するため、費用倒れを避けるうえで最も注意すべき項目です。
報酬金
報酬金は、事件が解決した際に、得られた成果に応じて支払う費用です。慰謝料を請求された側では、請求額からどれだけ減額できたかが成果として扱われるのが一般的です。
実費・日当
実費は、内容証明郵便の郵送費、裁判所に納める印紙代や郵券代、交通費など、事件処理のために実際に支出した費用です。
日当は、裁判所への出頭や遠方への出張など、弁護士が事務所外で活動した場合に発生する費用です。
請求された側の報酬金はどのように計算されるのか

慰謝料を請求する側と請求された側では、報酬金の考え方が異なります。請求された側特有の計算方法を確認しておきましょう。
- 減額できた金額が基準になる
- 支払いを免れた場合の扱い
- 見積りで確認すべき項目
減額できた金額が基準になる
請求する側の報酬金は、実際に獲得した金額を基準に計算されます。これに対し、請求された側では、請求額と最終的な支払額との差額、つまり減額できた金額が基準となるのが一般的です。
たとえば、300万円を請求され、100万円で和解した場合、減額分の200万円を基準に報酬金が計算されます。かつて弁護士会が定めていた報酬基準では、経済的利益の10〜16%程度を報酬金とする例が示されており、現在もこれを参考にしている事務所が多い傾向があります。
支払いを免れた場合の扱い
請求自体を退け、支払いを免れた場合の扱いは事務所によって異なります。請求額の全額を減額できたものとして計算する事務所もあれば、支払いを免れた場合の報酬を別途定めている事務所もあります。
「請求額が高額なほど、支払いを免れたときの報酬金も高額になる」という計算方式の場合、成果と費用のバランスを事前に確認しておくことが大切です。
見積りで確認すべき項目
見積りを受け取ったら、少なくとも次の点を確認しておきましょう。
- 着手金の算定方法と金額
- 報酬金の計算基準(減額分か、別の基準か)
- 支払いを免れた場合の報酬金の扱い
- 訴訟に移行した場合の追加費用
これらを確認しておけば、想定される結果ごとに費用がいくらになるのかを試算できます。
費用倒れにならないかを判断する目安

慰謝料の弁護士費用が費用倒れにならないかは、請求額と減額の見込みを比較することで判断できます。ここでは、判断の目安を解説します。
- 請求額と減額見込みを比べる
- 請求額が低額な場合の考え方
- 金額以外に得られるもの
- 判断に迷う場合の確認方法
請求額と減額見込みを比べる
費用倒れとは、弁護士に依頼して得られた利益よりも、支払った弁護士費用の方が大きくなる状態をいいます。
たとえば、300万円の請求に対して150万円まで減額できる見込みがあり、弁護士費用の合計が50万円であれば、依頼した方が100万円程度負担が軽くなる計算です。依頼前に、減額の見込みと費用の見積りを並べて比較してみてください。
請求額が低額な場合の考え方
請求額が数十万円程度と低額な場合、減額できたとしても弁護士費用の方が上回る可能性があります。
ただし、低額であっても、請求自体に根拠がない場合や、支払う必要がないと判断できる場合もあります。また、相談だけを利用して自分で対応する方法や、書面作成のみを依頼する方法をとれる事務所もあります。請求額が低いからといって、相談自体をあきらめる必要はありません。
金額以外に得られるもの
弁護士に依頼するメリットは、減額だけではありません。相手方との連絡を弁護士が代わりに行うため、直接やり取りする精神的な負担から解放されます。
また、示談書に清算条項を入れることで、解決後に追加請求を受けるリスクを防ぐことができます。勤務先や家族に知られたくない場合には、そうした事情に配慮した交渉も期待できます。
判断に迷う場合の確認方法
費用倒れになるかどうかを自分で判断するのが難しい場合は、初回相談の場で率直に聞いてみてください。
多くの弁護士は、相談の段階で減額の見込みと費用の概算を伝えたうえで、依頼すべきかどうかの意見を述べてくれます。
弁護士に依頼した方がよいケース

費用の面で迷いがあっても、状況によっては早めに弁護士へ依頼した方がよいケースがあります。
- 相手方にすでに弁護士が付いている
- 勤務先や家族への連絡をほのめかされている
- 請求額が相場から大きく外れている
相手方にすでに弁護士が付いている
相手方から弁護士名義の内容証明が届いている場合、相手は法的な根拠を整理したうえで請求してきています。こちらが法律の知識なく対応すると、不利な条件で示談してしまう可能性があります。
対等に交渉するためには、こちらも弁護士を立てることが望ましいといえます。
勤務先や家族への連絡をほのめかされている
「支払わなければ会社に連絡する」「家族に知らせる」といった言葉が出ている場合は、早急に弁護士へ相談してください。
正当な慰謝料請求であっても、勤務先への通知などをちらつかせて支払いを迫る行為は、脅迫や強要にあたる可能性があります。弁護士が窓口となることで、こうした圧力を受ける状況から抜け出せる可能性があります。
請求額が相場から大きく外れている
不貞行為の慰謝料は、離婚に至ったかどうかや婚姻期間などによって幅がありますが、一般的には数十万円から300万円程度とされています。これを大きく超える請求がされている場合、相場を知らないことにつけ込まれている可能性があります。
相場から外れた請求は、弁護士が入ることで大幅な減額につながりやすく、費用倒れになりにくいケースといえます。
依頼するタイミングによって結果は変わるのか

慰謝料を請求された場合、弁護士への依頼のタイミングによって、とれる対応や結果が変わることがあります。
- 内容証明が届いた直後
- すでに自分で交渉を始めてしまった後
- 訴訟を提起された後
内容証明が届いた直後
最も望ましいのは、内容証明が届いた直後に相談することです。この段階であれば、相手方にこちらの認識を伝える前に方針を立てられるため、交渉の選択肢が最も広くなります。
内容証明には回答期限が記載されていることが多いですが、期限内に必ず支払わなければならないわけではありません。期限に追われて自分で回答する前に、まずは弁護士に相談してください。
すでに自分で交渉を始めてしまった後
自分で相手方とやり取りを始めてしまった後でも、弁護士への依頼は可能です。ただし、すでに不貞行為を認める発言をしていたり、支払いに応じる姿勢を示していたりすると、そこから交渉をやり直すのは難しくなる傾向があります。
これまでのやり取りは、メールやメッセージも含めて削除せずに保管し、相談時に弁護士へ見せてください。
訴訟を提起された後
裁判所から訴状が届いた場合は、速やかに弁護士へ相談してください。答弁書を提出せずに第1回期日を欠席すると、相手の主張を認めたものとして扱われ、請求どおりの判決が出る可能性があります。
訴訟段階からの依頼でも減額や和解は可能ですが、交渉段階に比べて費用がかさむ傾向があります。
費用を抑えるためにできること

弁護士費用は、依頼する側の準備や確認によって抑えられる部分があります。
- 事実関係と資料を整理してから相談する
- 分割での支払いに対応しているか確認する
- 初回相談の段階で見通しを聞く
事実関係と資料を整理してから相談する
相談前に、相手方との関係の経緯、届いた書面、やり取りの記録などを時系列で整理しておきましょう。
事実関係が整理されていれば相談時間が短くなり、相談料が時間制の場合は費用を抑えられます。相手方が既婚者だと知っていたか、関係がいつ始まりいつ終わったかなどは、特に重要な確認事項です。
分割での支払いに対応しているか確認する
着手金を一括で用意するのが難しい場合、分割払いに対応している事務所もあります。依頼をあきらめる前に、支払い方法について相談してみてください。
また、報酬金は解決時の支払いとなるため、減額できた分から充てられるケースもあります。
初回相談の段階で見通しを聞く
初回相談の場では、減額の見込み、想定される解決までの期間、費用の概算の3点を聞いておきましょう。
これらが具体的に示されれば、依頼するかどうかを冷静に判断できます。納得できるまで確認してから契約することが、費用を抑える最も確実な方法です。
慰謝料を請求された側の弁護士費用に関するよくある質問

慰謝料を請求された側の弁護士費用について、よくいただく質問にお答えします。
弁護士費用を相手に負担してもらえますか?
原則として、弁護士費用は依頼した本人が負担します。交渉で解決する場合、相手方に弁護士費用を負担させることは通常ありません。
訴訟になった場合でも、不法行為に基づく損害賠償請求で弁護士費用の一部が損害として認められるのは請求する側であり、請求された側の弁護士費用が相手方の負担となることは基本的にありません。
費用がすぐに払えない場合でも依頼できますか?
前述のとおり、分割払いに対応している事務所もあります。
また、収入や資産が一定の基準を下回る場合は、法テラスの民事法律扶助制度を利用し、弁護士費用の立替えを受けられる可能性があります。
依頼したことが相手や家族に知られますか?
弁護士には守秘義務があり、依頼内容や相談の事実を第三者に漏らすことはありません。家族に知られたくない場合は、連絡方法や書類の送付先について相談時に伝えておきましょう。
なお、相手方には弁護士が受任した旨の通知を送るため、相手方は依頼の事実を知ることになります。
相談だけでも対応してもらえますか?
相談のみのご利用も可能です。前述のとおり、請求額が低額な場合など、依頼せずに自分で対応した方がよいケースもあります。
相談の段階で、依頼すべきかどうかを含めて見通しを聞くことができるため、費用倒れが心配な方こそ、まずは相談を活用してください。
慰謝料を請求されてお困りなら弁護士へご相談を

今回は、慰謝料を請求された側の弁護士費用について解説しました。弁護士費用は相談料・着手金・報酬金・実費で構成され、請求された側の報酬金は減額できた金額を基準に計算されるのが一般的です。
とはいえ、減額の見込みや依頼のタイミングをおひとりで判断するのは難しいものです。
若井綜合法律事務所では、慰謝料を請求された方からのご相談を初回無料でお受けしております。24時間365日受付、LINEでのご相談にも対応しており、全国どこからでもご相談いただけます。ご相談内容は秘密厳守いたしますので、家族や勤務先に知られたくないという場合もご安心ください。
内容証明が届いた直後の対応が、その後の結果を大きく左右します。費用面のご不安も含めて、まずはお気軽にご相談ください。
