- 自分も既婚者なのに、相手の配偶者から慰謝料を請求された
- 相手の配偶者から直接LINEや電話が来て、どう返せばよいかわからない
- 自分の配偶者に知られないまま、できるだけ減額して終わらせたい
こんな悩みにお答えします。
ダブル不倫(既婚者同士の不倫)の慰謝料請求は、通常の不倫と構造が異なります。あなたの配偶者もまた、不倫相手に慰謝料を請求できる立場にあるからです。
そのため、請求されたからといって、記載された金額をそのまま支払う義務があるとは限りません。一方で、対応を誤ると自分の配偶者に知られ、家庭が二重に壊れてしまう可能性もあります。
本記事でわかることは、以下のとおりです。
- 請求されたときに最初に確認すべきこと
- ダブル不倫の慰謝料が通常の不倫と異なる構造
- 双方の家庭で相互に請求が発生した場合の考え方
- 慰謝料を減額できる事情とやってはいけない対応
最後まで読むことで、配偶者に知られるリスクを抑えながら負担を軽くする進め方がわかります。ぜひ最後までご覧ください。
ダブル不倫で慰謝料を請求されたときにまず確認すべきこと

まず請求内容を整理しましょう。確認すべきは次の3点です。
- 請求書に書かれた請求者と請求根拠を確認する
- 請求額が相場から離れていないか確認する
- 回答期限までにやってはいけないこと
請求書に書かれた請求者と請求根拠を確認する
まず、誰がどのような根拠で請求しているのかを確認してください。請求者は不倫相手の配偶者が一般的で、弁護士名の内容証明で届く場合も、本人から直接連絡が来る場合もあります。
請求根拠は、不貞行為による損害賠償(民法709条)です。記載された不倫の期間や回数が事実と異なる場合は、その点を整理しておくことが、交渉の出発点になります。
請求額が相場から離れていないか確認する
ダブル不倫の慰謝料の相場は通常の不倫と大きく変わらず、離婚に至らなければ数十万円〜100万円程度、離婚に至れば100万円〜300万円程度が目安です。
ただし、請求書には相場より高い金額が記載されていることが少なくありません。数百万円の請求額を見ても確定額とは考えず、相場との差を把握しておきましょう。
回答期限までにやってはいけないこと
内容証明には回答期限が記載されているのが通常ですが、期限が迫っていても、慌てて謝罪文を送ったり、金額を認める返答をしたりすることは避けてください。
回答する場合も、「弁護士に相談のうえ改めて回答する」といった内容にとどめておくのが安全です。
ダブル不倫の慰謝料が通常の不倫と異なる3つの点

ダブル不倫では当事者が4人になるため、通常の不倫にはない構造が生じます。主な違いは次の3点です。
- 双方の配偶者が当事者になり得る
- 自分にも家庭があることが交渉材料になる
- 求償権が二重に発生する構造になる
双方の配偶者が当事者になり得る
通常の不倫では、慰謝料を請求できるのは不倫をされた配偶者ひとりです。しかしダブル不倫では、あなたの配偶者も不倫相手に慰謝料を請求できる立場にあります。
あなたが請求される一方で、あなたの配偶者は不倫相手に請求できる構図です。相手方は請求する側であると同時に、請求され得る側でもある点が最大の特徴です。
自分にも家庭があることが交渉材料になる
相手方が強硬に請求を進めれば、その過程であなたの配偶者に不倫の事実が伝わり、あなたの配偶者から不倫相手に慰謝料請求がなされる可能性があります。
つまり、相手方にとっても強硬な請求は自分たちの不利益になりかねず、あなたにも家庭があることは減額や早期解決を引き出す交渉材料になり得ます。ただし、脅しのように持ち出すと関係が悪化するため注意が必要です。
求償権が二重に発生する構造になる
不倫の慰謝料は2人が連帯して負担するものであり、一方が全額を支払えば、もう一方に負担分を求める権利(求償権)が生じます。
ダブル不倫では、あなたが支払えば不倫相手に求償でき、逆にあなたの配偶者が不倫相手に請求すれば、不倫相手があなたに求償できます。求償が双方向に発生し得るため、踏まえずに支払うと思わぬ再請求を受けることがあります。
双方の家庭で相互に請求が発生した場合の考え方

双方の家庭が互いに請求し合う状況になると、慰謝料の考え方は大きく変わります。
- 家庭単位で見たときの実質的な負担
- 四者で一括解決するという選択肢
- 相互に請求しない合意をする場合の注意点
家庭単位で見たときの実質的な負担
あなたが相手方の配偶者に支払い、あなたの配偶者が不倫相手から受け取る場合、家庭単位で見れば、支払額と受取額の差額だけが実質的な負担になります。
法律上、これらの請求権は当事者が異なるため当然に相殺されるものではありませんが、双方の事情が似ていれば金額も近くなる傾向があり、結果として家庭間の実質的な負担はほとんど生じないケースもあります。
四者で一括解決するという選択肢
別々に進めると時間も費用も二重にかかります。そこで、4人全員が当事者となる合意書を作成し、一度に解決する方法があります。
四者合意では、双方の慰謝料額を差し引いて差額のみを支払う、あるいは互いに請求しないと定めるのが一般的です。家庭の状況が似ていれば、金銭のやり取りをせずに解決できる可能性もあります。ただし、一方でも離婚を望んでいる場合などは調整が難しくなります。
相互に請求しない合意をする場合の注意点
互いに請求しないと合意する場合は、合意書に「相互に何らの債権債務がないことを確認する」といった清算条項を入れることが不可欠です。これがないと、後から請求を蒸し返す余地が残ります。
また、不倫相手との接触禁止や口外禁止を条件に加えることも少なくありません。合意内容が不十分だと再請求や告知を防げないおそれがあるため、署名前に弁護士に確認してもらいましょう。
ダブル不倫で慰謝料を減額できる事情

請求額をそのまま受け入れる必要はありません。次の事情があれば、減額の交渉材料になり得ます。
- 婚姻関係がすでに破綻していた
- 相手方から積極的に誘われた
- 関係が短期間・回数が少ない
- 支払能力に限界がある
婚姻関係がすでに破綻していた
不倫が始まった時点で相手方夫婦の婚姻関係が破綻していた場合、保護すべき婚姻関係がないとして、慰謝料が認められない、または大幅に減額される可能性があります。
ただし、破綻が認められるのは長期間の別居や離婚協議の開始など客観的な事情がある場合に限られ、「夫婦仲が悪かった」程度では認められにくいのが実情です。不倫相手の話だけで判断せず、裏付けがあるか確認してみてください。
相手方から積極的に誘われた
関係が不倫相手の側から積極的に持ちかけられたものである場合、あなたの責任の割合が小さいとして減額の理由になることがあります。
LINEのやり取りなど、関係の始まりや経緯がわかる記録は削除せずに保管しておきましょう。ただし、誘われたからといって責任がなくなるわけではありません。
関係が短期間・回数が少ない
不倫の期間が短く回数が少ない場合は、婚姻関係に与えた影響が小さいとして慰謝料が低くなる傾向があります。
請求書の期間や回数が実際より多く書かれていることもあるため、事実関係を正確に整理してください。期間や回数を裏付ける記録は、減額を求めるうえで重要な資料になります。
支払能力に限界がある
収入や資産に余裕がなく一括払いが現実的でない場合、その事情を伝えて減額や分割払いを交渉できることがあります。
ただし、支払能力は法律上の減額事由ではなく、交渉上の事情にすぎない点は理解しておいてください。
自分の配偶者に知られずに解決できるか

配偶者に知られずに解決できるかどうかは、進め方によって大きく変わります。
- 交渉段階で配偶者に連絡が行くケース
- 訴訟になった場合に秘匿は難しくなる
- 一括解決を選ぶと秘匿と両立しなくなる場合がある
交渉段階で配偶者に連絡が行くケース
交渉段階であれば、相手方があなたの配偶者に連絡しなければならない決まりはなく、秘匿したまま解決できる可能性は十分にあります。
ただし、相手方が感情的になっている場合や請求を無視した場合には、配偶者に伝えると迫ってくることがあります。早い段階で弁護士を窓口にし、配偶者への連絡を控えるよう申し入れることが重要です。合意書に口外禁止条項を入れれば、解決後の告知も防ぎやすくなります。
訴訟になった場合に秘匿は難しくなる
交渉がまとまらず訴訟になると、裁判所から自宅に訴状が送達されるため、同居の配偶者に知られる可能性が高まります。
秘匿を優先するなら、交渉段階での解決が最も現実的な選択肢です。訴訟になった場合でも、早期の和解で影響を最小限にとどめられることがあります。
一括解決を選ぶと秘匿と両立しなくなる場合がある
前述の四者での一括解決は、あなたの配偶者が不倫の事実を知り、当事者として加わることが前提です。配偶者に知られずに解決したい場合、この方法は選べません。
つまり、「家庭単位で負担を軽くする」ことと「配偶者に知られない」ことは両立しない場合があります。どちらを優先するかで進め方が変わるため、最初に方針を決めておきましょう。
ダブル不倫で請求されたときにやってはいけないこと

次の3つの対応は避けてください。
- 相手方配偶者と直接やり取りを続ける
- その場で金額に合意する・一部を支払う
- 請求を無視して放置する
相手方配偶者と直接やり取りを続ける
相手方の配偶者から直接連絡が来ても、自分で対応し続けることは避けてください。感情的なやり取りの中で、事実と異なる内容を認めてしまうおそれがあります。
また、直接のやり取りが続くほど相手方の感情が高ぶり、配偶者への連絡につながりやすくなります。弁護士を通じてやり取りしたい旨を伝え、窓口を切り替えるのが安全です。
その場で金額に合意する・一部を支払う
早く終わらせたい一心で、提示された金額にその場で合意したり、一部を先に支払ったりすることは避けてください。一度合意した内容は後から撤回することが難しいためです。
一部の支払いは請求全体を認めた(承認した)と受け取られ、時効の更新や減額交渉の妨げになることもあります。合意前に、金額の妥当性と、あなたの配偶者からの請求との関係を整理しておきましょう。
請求を無視して放置する
無視すれば諦めてくれると考える方もいますが、放置は最も危険な対応です。訴訟になれば訴状が自宅に届き、配偶者に知られる可能性が高まります。
答弁書を出さずに欠席すれば、相手方の主張どおりの判決が出るおそれもあります。迷う場合でも放置せず、まずは弁護士に相談してください。
ダブル不倫の慰謝料請求に関するよくある質問

ダブル不倫の慰謝料請求について、当事務所によく寄せられる質問にお答えします。
相手の配偶者から自分の配偶者に連絡されることはありますか?
可能性はあります。ただし、あなたの配偶者に不倫を告げれば、あなたの配偶者から不倫相手に慰謝料請求がなされ、相手方の家庭にも不利益が及ぶため、実際には連絡を控えるケースも多いのが実情です。前述のとおり、早期に弁護士を窓口にし、合意書に口外禁止条項を設けることが有効です。
双方が請求し合う構図になった場合、支払額はどうなりますか?
法律上、双方の請求権は当事者が異なるため自動的に相殺されるわけではありません。しかし実務上は、四者で協議して差額のみを支払う、または互いに請求しないと合意することが多く、家庭単位で見れば実質的な負担は小さくなり得ます。
不倫相手にも負担を分けてもらえますか?
可能です。前述のとおり、あなたが全額を支払った場合、不倫相手に負担分を求める(求償する)ことができます。ただし、ダブル不倫では求償によって相手方の家庭で紛争が広がる可能性があるため、行うかどうかは全体を見て判断する必要があります。
会社や親に知らせると言われていますが本当に連絡されますか?
実際に連絡されることは多くありませんが、可能性はゼロではありません。ただし、慰謝料を支払わせる目的で会社や親に知らせると告げる行為は、脅迫罪や恐喝罪に該当する可能性があります。メッセージや録音を保存し、弁護士に相談してください。職場にバラすと脅された場合の対応を解説した記事もご参照ください。
ダブル不倫で慰謝料を請求されたら弁護士へご相談を

今回は、ダブル不倫で慰謝料を請求された場合の対応について解説しました。ダブル不倫では双方の配偶者が請求権を持つため、自分にも家庭があることが交渉材料になり、家庭単位で見れば実質的な負担が小さくなる可能性があります。一方で、配偶者に知られずに解決したい場合は四者での一括解決と両立しないこともあります。
とはいえ、減額の見込みや秘匿の可否をおひとりで判断するのは難しいものです。
若井綜合法律事務所では、ダブル不倫で慰謝料を請求された方からのご相談を初回無料でお受けしております。24時間365日受付、LINEでのご相談にも対応しており、全国どこからでもご相談いただけます。ご相談内容は秘密厳守いたしますので、配偶者に知られたくないという場合もご安心ください。
請求を受けた直後の対応が、結果を大きく左右します。回答期限が迫る前に、まずはお早めにご相談ください。
