• 「慰謝料を払わなければ不倫を職場にバラす」と相手方から脅されている
  • 口止め料として、相場とかけ離れた高額な金銭を要求されている
  • SNSでの暴露や実名の公開をほのめかされている

こんな悩みにお答えします。

不倫をしてしまった負い目から、「バラされたくなければ払え」という要求を断れず、言われるまま応じてしまう方は少なくありません。

しかし、不倫をした側であっても、脅迫によって金銭を要求されてよい理由はありません。要求の手段によっては、相手方の行為こそが恐喝罪などの犯罪にあたる可能性があります。

本記事でわかることは、以下のとおりです。

  • 「職場にバラす」と脅す行為がどのような犯罪にあたりうるか
  • 口止め料を請求されたときにやってはいけないこと
  • すぐに行うべき証拠の保全方法
  • 正当な慰謝料請求と違法な脅迫の見分け方
  • 弁護士に依頼することで得られる効果

最後まで読むことで、いま置かれている状況を法的に整理し、脅迫から抜け出すためにとるべき行動がわかります。ぜひ最後までご覧ください。

「不倫を職場にバラす」と脅す行為は犯罪になるのか

「不倫を職場にバラす」と脅す行為は犯罪になるのかを解説する図解

「不倫を職場にバラす」という発言は、状況によって刑法上の犯罪にあたる可能性があります。

  • 金銭を要求すれば恐喝罪が問題となる
  • 金銭要求がなくても脅迫罪が成立しうる
  • 実際に暴露された場合の法的責任

順に見ていきましょう。

金銭を要求すれば恐喝罪が問題となる

「バラされたくなければ金を払え」と、暴露をほのめかして金銭を要求する行為は、恐喝罪(刑法249条)にあたる可能性があります。法定刑は10年以下の拘禁刑です。恐喝罪の害悪の告知は名誉やプライバシーに対するものでも足り、「職場や家族に知らせる」という告知はその典型といえます。実際に支払っていなくても、要求して畏怖させた段階で恐喝未遂罪が問題となりえます。

金銭要求がなくても脅迫罪が成立しうる

金銭の要求を伴わない場合でも、「職場にバラす」と告げて畏怖させる行為は、脅迫罪(刑法222条)にあたる可能性があります。脅迫罪は、生命・身体・自由・名誉・財産に害を加える旨を告知した場合に成立し、名誉に対する害悪の告知も対象です。また、暴露すると告げて、謝罪文の作成や退職など義務のないことを強いた場合には、強要罪(刑法223条)が問題となることもあります。

実際に暴露された場合の法的責任

実際に職場やSNSで不倫の事実を暴露された場合、内容が真実であっても、名誉毀損罪(刑法230条)が成立する可能性があります。名誉毀損罪は、公然と事実を摘示して人の社会的評価を下げた場合に成立し、私人の不倫は公共の利害に関する事実とはいえないため、真実であることを理由に処罰を免れることは通常困難です。あわせて、民事上も名誉毀損やプライバシー侵害として損害賠償請求の対象となりえます。

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口止め料を請求されたときにやってはいけないこと

口止め料を請求されたときにやってはいけないことを解説する図解

脅されている状況では、その場を収めたい一心で判断を誤りがちです。次の4つの対応は避けてください。

  • 要求されるまま支払いに応じる
  • その場で示談書や誓約書にサインする
  • 相手方と一対一で会って話し合う
  • 脅迫の記録を削除する

要求されるまま支払いに応じる

要求されるまま口止め料を支払うことはおすすめできません。一度支払うと「要求すれば払う相手」と認識され、要求が繰り返されたりエスカレートしたりするケースが多いためです。支払いによって暴露を確実に防げる保証もありません。不倫の負い目があっても、脅迫による要求にまで応じる義務はないことを、まず認識してください。

その場で示談書や誓約書にサインする

その場で示談書や誓約書へのサインを求められても、応じてはいけません。相場とかけ離れた金額や一方的に不利な条件が記載されていても、いったん署名した書面を後から覆すことは容易ではないためです。「今すぐサインしなければバラす」と迫ること自体、脅迫的な手段といえます。書面は必ず持ち帰り、内容を確認する時間を確保してください。

相手方と一対一で会って話し合う

相手方と一対一で会って話し合うことも避けましょう。密室での話し合いは対立が激化しやすく、その場の圧力で支払いや署名に応じてしまう危険があります。また、二人きりのやり取りは記録が残りにくく、後から「言った・言わない」の争いになりがちです。面会を求められても、その場では即答しないことが大切です。

脅迫の記録を削除する

「証拠を消せば関係を隠せる」と考えて、相手方とのやり取りを削除することは避けてください。脅迫のメッセージや通話記録は、相手方の行為の違法性を示す重要な証拠です。削除してしまうと、警察への相談や法的手続きの際に、被害を裏付ける手段を失いかねません。証拠の残し方は、次の章で解説します。

脅されたときにすぐ行うべき証拠の保全

脅されたときにすぐ行うべき証拠の保全を解説するイメージ写真

相手方の要求が違法であることを示すには、証拠が不可欠です。脅されていると感じたら、次の3点を実行してください。

  • LINE・メール・SNSのやり取りを保存する
  • 通話は録音を残す
  • 第三者への発言も記録しておく

LINE・メール・SNSのやり取りを保存する

「職場にバラす」「払わなければ許さない」といったメッセージは、スクリーンショットで保存してください。その際、発言内容だけでなく、送信者名と日時が写るように保存することがポイントです。前後の文脈がわかるよう、やり取り全体を残しておくと、脅迫の経緯を立証しやすくなります。SNSの投稿は削除される場合に備え、URLの控えもあわせて残しておきましょう。

通話は録音を残す

電話や面会で脅迫的な発言をされる場合は、録音を残してください。スマートフォンの通話録音アプリやボイスメモで足ります。相手に告げずに行う、いわゆる秘密録音であっても、自分が当事者である会話の録音は、原則として証拠として利用できると考えられています。どうしても面会せざるを得ない場合こそ、録音の準備をしてから臨むことが重要です。

第三者への発言も記録しておく

相手方があなたの同僚や友人など第三者に接触し、暴露をほのめかす発言をしている場合は、その内容も記録しておきましょう。「いつ・誰に・どのような発言があったか」をメモに残し、可能であればその第三者に、聞いた内容を書き残してもらうことも有効です。

正当な慰謝料請求と違法な脅迫の違い

正当な慰謝料請求と違法な脅迫の違いを解説する図解

不倫をした場合、相手方の配偶者から慰謝料を請求されること自体は、正当な権利行使です。問題は、その手段が許される範囲を超えているかどうかです。

  • 請求そのものは違法ではない
  • 手段が社会通念を超えると違法になる
  • 判断に迷う場合は自己判断を避ける

請求そのものは違法ではない

不倫(不貞行為)をした場合、不倫相手の配偶者は、慰謝料を請求する法律上の権利を持ちます。弁護士や内容証明郵便を通じた請求はもちろん、本人から直接請求されること自体も違法ではありません。したがって、請求されたという事実だけで、相手方の行為を犯罪と決めつけることはできません。金額や内容に不服がある場合は、交渉や裁判で争うのが本来の筋道です。

手段が社会通念を超えると違法になる

正当な権利があっても、行使の手段が社会通念上許される範囲を逸脱すれば、違法となりえます。判例も、権利の実行が社会通念上一般に忍容すべき程度を超えるときは違法となり、恐喝罪が成立しうると判断しています(最高裁昭和30年10月14日判決)。「職場にバラされたくなければ払え」と迫る、深夜や職場に押しかける、といった手段は、慰謝料請求権があったとしても許されない可能性が高いといえます。

判断に迷う場合は自己判断を避ける

実際のケースでは、正当な請求と違法な脅迫の線引きは容易ではありません。相手方に慰謝料請求権があるか、要求額が相場の範囲か、手段が行き過ぎていないかは、法的な評価を要する問題です。「自分が悪いのだから仕方ない」と自己判断で応じる前に、弁護士に状況を確認してもらうことをおすすめします。

弁護士に依頼することで得られる効果

弁護士に依頼することで得られる効果を解説するイメージ写真

脅迫を受けている状況こそ、弁護士の介入が効果を発揮します。依頼によって得られる効果は次のとおりです。

  • 代理人が窓口となり直接の接触が止まる
  • 違法な要求を法的根拠から退ける
  • 警察との連携が必要な場合の対応

代理人が窓口となり直接の接触が止まる

依頼を受けた弁護士が受任通知を送付し、以後の連絡窓口はすべて弁護士になります。相手方からご本人への連絡や接触は原則として止まり、脅迫的な要求を直接受け続ける状況から抜け出せます。「次はいつ連絡が来るのか」という恐怖から解放されることは、それ自体が大きな意味を持ちます。

違法な要求を法的根拠から退ける

弁護士は、相手方の要求を法的に整理します。慰謝料請求権が認められる相手であれば、裁判例の水準を踏まえた適正額での解決を交渉し、過大な要求は根拠を示して退けます。そもそも請求権のない相手からの要求であれば、支払い義務がないことを明確に通知します。あわせて、暴露に及んだ場合には法的措置をとる旨を警告し、暴露の抑止を図ります。

警察との連携が必要な場合の対応

脅迫の態様が悪質な場合や身の危険を感じる場合には、警察への相談や被害届の提出を検討します。弁護士が証拠を整理したうえで相談への助言や同行を行うことで、警察にも被害の実態が伝わりやすくなります。刑事と民事の両面から状況に応じた手段を選択できることが、弁護士に依頼するメリットです。

不倫を職場にバラすと脅されたら弁護士へご相談を

不倫を職場にバラすと脅されたら弁護士へご相談を解説するイメージ写真

今回は、「不倫を職場にバラす」と脅された場合の対処法について解説しました。暴露をほのめかして金銭を要求する行為は恐喝罪、金銭要求がなくても脅迫罪にあたる可能性があり、不倫をした側だからといって、違法な要求に応じる義務はありません。まずは証拠を保全し、支払いや署名には応じずに、対応を検討することが大切です。

とはいえ、脅されている渦中で、相手方の要求が正当な請求なのか違法な脅迫なのかを、おひとりで見極めるのは困難です。

若井綜合法律事務所では、不倫に関するトラブルで脅されている方からのご相談を初回無料でお受けしております。24時間365日受付、LINEでのご相談にも対応しており、全国どこからでもご相談いただけます。ご相談内容は秘密厳守いたしますので、ご家族や職場に知られたくないという場合もご安心ください。

脅迫は、時間の経過とともにエスカレートするおそれがあります。おひとりで抱え込まず、できるだけ早い段階で当事務所へご相談ください。