• 裁判所から「訴状」と「口頭弁論期日呼出状」が届いた
  • 答弁書をいつまでに、どのように書けばよいかわからない
  • 裁判所に出頭しなければならないのか、職場に知られないか不安

こんな悩みにお答えします。

裁判所からの特別送達で訴状を受け取ると、「人生が終わってしまうのではないか」と感じるかもしれません。しかし、訴えられた段階で結論が決まったわけではありません。

不倫慰謝料の訴訟は、審理の途中で和解により解決する例が多く、適切に反論すれば減額の余地も十分にあります。逆に、最も危険なのは、怖くなって放置してしまうことです。

本記事でわかることは、以下のとおりです。

  • 訴状が届いたら最初に確認すべきこと
  • 答弁書を提出しない場合に起こること
  • 答弁書を作成する際のポイント
  • 裁判で慰謝料が減額されやすい5つの事情
  • 訴訟の流れと和解による解決

最後まで読むことで、訴状が届いた直後にすべきことと、裁判の見通しの立て方がわかります。ぜひ最後までご覧ください。

不倫慰謝料の訴状が届いたらまず確認すべきこと

不倫慰謝料の訴状が届いたらまず確認すべきことを解説する図解

裁判所から届く封筒には、通常、訴状、口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状、証拠の写しなどが入っています。まず確認すべきは次の2点です。

  • 答弁書の提出期限と第一回期日
  • 請求の趣旨と請求の原因

答弁書の提出期限と第一回期日

期日呼出状には、第一回口頭弁論期日の日時と、答弁書の提出期限(通常は期日の約1週間前)が記載されています。この2つの日付を、最初に必ず確認してください。訴状が届いてから提出期限までの期間は1か月前後であることが多く、反論の準備にかけられる時間は限られています。期日の変更は簡単には認められないため、スケジュールから逆算して早めに動くことが重要です。

請求の趣旨と請求の原因

訴状の「請求の趣旨」には相手方が求める結論(金額)が、「請求の原因」にはその根拠となる事実関係が記載されています。いつからいつまでの不貞行為とされているか、慰謝料額の根拠としてどのような事情が主張されているか、事実と異なる記載や誇張がないかを確認してください。ここに書かれた事実のどれを認め、どれを争うかが、答弁書作成の土台になります。

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答弁書を提出しないとどうなるのか

答弁書を提出しないとどうなるのかを解説するイメージ写真

答弁書を提出せず、期日にも出頭しない「放置」は、最も不利益の大きい対応です。放置した場合に起こることを確認しましょう。

  • 擬制自白により請求が認められる可能性がある
  • 欠席のまま判決が出るリスク
  • 判決確定後は強制執行の対象となる

擬制自白により請求が認められる可能性がある

答弁書を提出せず、第一回期日にも欠席すると、相手方の主張した事実を認めたものとみなされます(擬制自白)。民事訴訟では、争わずに沈黙していると、認めたのと同じ扱いになるのが原則です。実際には反論できる事情があったとしても、書面や法廷で主張しなければ、訴状に書かれた事実がそのまま審理の前提とされてしまいます。

欠席のまま判決が出るリスク

擬制自白が成立すると、審理は事実上第一回期日で終結し、相手方の請求をほぼそのまま認める判決が出る可能性が高くなります。本来であれば減額や支払い義務の否定を主張できたケースでも、欠席のままでは、その機会自体が失われます。判決書も特別送達で届き、受け取りを避けても手続きは進んでいきます。

判決確定後は強制執行の対象となる

判決が確定すると、相手方は強制執行を申し立てることができます。典型は給与や預貯金の差押えで、給与の差押えでは裁判所から勤務先に通知が届くため、職場に知られるきっかけにもなります。放置は、金銭面でも生活面でも、最も避けるべき選択です。

答弁書を作成する際のポイント

答弁書を作成する際のポイントを解説するイメージ写真

答弁書は、訴状に対する被告側の最初の反論書面です。作成にあたっては、次の4点を押さえてください。

  • 請求の趣旨に対する答弁を記載する
  • 請求の原因に対する認否を行う
  • 反論となる具体的事情を主張する
  • 証拠の準備を並行して進める

請求の趣旨に対する答弁を記載する

答弁書の冒頭には、「原告の請求を棄却する、との判決を求める」といった、請求の趣旨に対する結論を記載します。これは請求を争う場合の定型的な記載であり、棄却を求めたからといって、その後の交渉や和解が不利になるわけではありません。まずは争う姿勢を示し、主張の機会を確保することが重要です。

請求の原因に対する認否を行う

請求の原因に記載された事実について、「認める」「否認する」「知らない(不知)」を項目ごとに整理して記載します。注意すべきなのは、いったん認めた事実は、後から撤回することが難しい点です。記憶があいまいな部分まで安易に認めず、事実と異なる部分は明確に否認してください。認否の内容によって、その後の審理で争われる範囲が決まります。

反論となる具体的事情を主張する

認否に続けて、被告側の言い分を主張します。婚姻関係がすでに破綻していた、既婚者と知らなかった、請求額が過大であるといった、次の章で解説する減額事情が主張の中心になります。第一回期日までにすべてを書き切れない場合は、「追って主張する」と記載し、期日後に準備書面で補充することも可能です。

証拠の準備を並行して進める

主張は、証拠によって裏付ける必要があります。LINEやメールのやり取り、交際の経緯がわかる記録など、反論を支える資料を並行して集めてください。答弁書の段階ですべてを提出する必要はありませんが、何が証拠になりうるかを早めに整理しておくと、その後の審理を有利に進めやすくなります。

裁判で慰謝料が減額されやすい5つの事情

裁判で慰謝料が減額されやすい5つの事情を解説する図解

不貞行為の事実自体は争えない場合でも、次のような事情は、慰謝料の減額につながる可能性があります。

  • 婚姻関係がすでに破綻していた
  • 既婚者であることを知らなかった
  • 婚姻関係が現在も継続している
  • すでに一部の支払いを行っている
  • 支払能力が乏しい

婚姻関係がすでに破綻していた

不貞行為の時点で夫婦関係がすでに破綻していた場合、保護すべき婚姻共同生活が存在しないため、慰謝料請求は認められないか、大幅に減額される可能性があります。長期間の別居や離婚協議が進んでいた事実などが、破綻を裏付ける事情になります。

既婚者であることを知らなかった

相手が既婚者であることを知らず、知らなかったことに過失もない場合は、そもそも支払い義務が否定されます。過失があるにとどまる場合でも、既婚と知っていた場合に比べて減額される傾向があります。詳しくは、既婚者と知らなかった場合の慰謝料について解説した記事をご覧ください。

婚姻関係が現在も継続している

不貞行為の後も相手方夫婦が離婚や別居に至らず、婚姻関係が継続している場合、離婚に至った場合と比べて損害は小さいと評価され、慰謝料は低額にとどまる傾向があります。訴状の記載から、相手方夫婦の現在の状況を確認してみてください。

すでに一部の支払いを行っている

あなたがすでに一部を支払っている場合や、不倫関係にあった配偶者の側が相手方に金銭を支払っている場合、その分が考慮されることがあります。同一の損害について、二重に満額の賠償を受けることはできないためです。

支払能力が乏しい

収入や資産の状況は、判決で認められる金額そのものよりも、和解の場面で効いてくる事情です。支払能力を示す資料は、分割払いなど無理のない解決条件を引き出す材料になります。現実に支払える水準での解決を目指すうえで、整理しておく価値があります。

訴訟の流れと和解による解決

訴訟の流れと和解による解決を解説する図解

訴訟は、判決まで必ず争い続けるものではありません。実際には、途中の和解で解決する例が多くあります。

  • 第一回期日から判決までの流れ
  • 和解で解決するメリット
  • 判決を受けた場合の対応

第一回期日から判決までの流れ

第一回口頭弁論の後は、おおむね1〜2か月に1回のペースで期日が開かれ、双方が準備書面と証拠を出し合って争点を整理していきます。必要に応じて当事者への尋問が行われ、判決に至ります。解決までの期間は事案によりますが、半年から1年以上かかることも珍しくありません。もっとも、その途中のどの段階でも、和解によって終了する可能性があります。

和解で解決するメリット

裁判所は審理の過程で和解を勧めることが多く、不倫慰謝料の訴訟では和解による解決が多数を占めます。和解には、金額を調整できる、分割払いや口外禁止条項を盛り込める、判決よりも早く解決できるといったメリットがあります。判決と異なり、双方が受け入れられる条件を柔軟に設計できる点が最大の特徴です。

判決を受けた場合の対応

判決に不服がある場合は、判決書の送達を受けた日から2週間以内に控訴することができます。控訴せずにこの期間が経過すると判決は確定し、記載された金額の支払い義務が確定します。確定後は強制執行の対象となるため、一括での支払いが難しい場合は、確定前の段階で分割払いなど現実的な解決を図ることが重要です。

不倫慰謝料の訴訟に関するよくある質問

不倫慰謝料の訴訟に関するよくある質問を解説するイメージ写真

最後に、不倫慰謝料の訴訟について、当事務所に多く寄せられるご質問にお答えします。

裁判所に必ず出頭しなければなりませんか?

弁護士に依頼した場合、期日には代理人である弁護士が出頭するため、ご本人の出頭は原則として不要です。ご本人の出席が必要になるのは、当事者尋問が行われる場合など、限られた場面です。弁護士を付けずにご自身で対応する場合は、期日への出頭が必要になります。

答弁書は自分で作成してもよいですか?

ご自身で作成すること自体は可能で、裁判所のウェブサイトには書式も公開されています。ただし、前述のとおり、認否の誤りや不用意な記載は後から訂正が難しく、訴訟の結果に直結します。請求額が高額な場合や、争いたい事情がある場合は、弁護士への依頼をおすすめします。

裁判になったことが職場に知られますか?

裁判所から職場に連絡が行くことは、通常ありません。訴訟に対応を続けている限り、職場に知られる可能性は高くないといえます。注意すべきなのは放置した場合です。前述のとおり、判決確定後に給与の差押えを受けると、裁判所から勤務先に通知が届きます。

訴えられた後でも和解はできますか?

可能です。訴訟の途中で、裁判所を介して和解する(訴訟上の和解)ことができるほか、並行して当事者間で交渉を進め、合意に至れば訴えを取り下げてもらうことも考えられます。訴えられたからといって、話し合いによる解決の道が閉ざされるわけではありません。

不倫慰謝料で訴えられたら弁護士へご相談を

不倫慰謝料で訴えられたら弁護士へご相談を解説するイメージ写真

今回は、不倫慰謝料で訴えられた場合の対応について解説しました。訴状が届いても、結論が決まったわけではありません。答弁書の提出期限を確認し、認否と反論を適切に行えば、減額や和解による解決の余地は十分にあります。反対に、放置してしまうと、相手方の請求どおりの判決と強制執行という、最も不利益の大きい結果を招きかねません。

とはいえ、限られた期限の中で、認否の判断や減額事情の主張をおひとりで組み立てるのは難しいものです。

若井綜合法律事務所では、不倫慰謝料で訴えられた方からのご相談を初回無料でお受けしております。24時間365日受付、LINEでのご相談にも対応しており、全国どこからでもご相談いただけます。ご相談内容は秘密厳守いたしますので、ご家族や職場に知られたくないという場合もご安心ください。

答弁書の提出期限は待ってくれません。訴状が届いたら、できるだけ早い段階で当事務所へご相談ください。