脅迫・恐喝・強要の法律的な違いは?

脅迫・恐喝・強要の法律的な違い不当請求を受けたとき、加害者には脅迫罪・恐喝罪・強要罪の3種類の犯罪が成立する可能性があります。これら3つの犯罪については、一般的には違いが正しく理解されていないことが多いのですが、それぞれどのような場合に成立するのでしょうか?

今回は、脅迫罪と恐喝罪、強要罪の違いについて解説します。

目次

1.脅迫罪とは

脅迫とは、人の生命、身体、財産、自由、名誉に害悪を与えることを告知すると成立する犯罪です。
たとえば、「殺す」「殴るぞ」「家を燃やす」「帰さない」「不倫をばらす」などと言って人を脅すと、脅迫罪が成立する可能性があります。

このとき害悪を与えられる対象は、脅迫の対象者またはその親族です。そこで、「おまえの子供をさらうぞ」「お前の妻を殺すぞ」などと言った場合にも脅迫罪となります。

脅迫罪は、脅迫した時点で既遂となるので、未遂犯はありません。

脅迫罪の法定刑は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金刑です(刑法222条1項)。

2.恐喝罪とは

恐喝罪とは、脅迫行為によって財物を交付させたり、財産上の不法な利益を得たりしたときに成立する犯罪です。

具体的には、上記のような脅迫により、金品を請求したり、債務を免除させようとしたりすると、恐喝罪となります。

脅迫罪との違いは、脅迫罪の場合には単に「脅迫するだけ」で犯罪が成立するのに対し、恐喝罪の場合には、「脅迫行為が財物や財産上の不法な利益に向けられている」という点です。

また、脅迫には未遂犯がありませんが、恐喝罪には未遂犯があります。脅迫行為をしても相手が金品を交付しなかった場合、恐喝罪は未遂となるためです。恐喝罪の法定刑は、10年以下の懲役刑です(刑法249条1項)。

3.強要罪とは

強要罪は、相手に義務のないことを無理矢理させた場合に成立する犯罪です。

たとえば、土下座させた場合や謝罪文を強制的に書かせた場合などに成立します。

強要罪の法定刑は3年以下の懲役刑です(刑法223条)。

脅迫されたときにも恐喝被害を受けたときにも義務のないことを強要されたときにも、相手の要求に屈するべきではありません。相手の行為は犯罪行為ですので、弁護士や警察に相談をして、相手の要求を退けるべきです。

自分一人で対応しようとすると、かえって状況が悪化してしまう可能性が高いので、まずは専門の弁護士に相談してみるといいかもしれません。

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