「精神的苦痛を受けているけれど、慰謝料請求できるかどうかわからない」
このようなお悩みをお持ちの方が、たくさんおられます。
法律的に慰謝料請求できる場合はどのような場合なのか、みていきましょう。
1.慰謝料が発生する条件
慰謝料とは、精神的苦痛に対する損害賠償金です。相手の不法行為によって精神的苦痛を受けたら、慰謝料が発生します。
慰謝料が発生するには、以下の2つの条件が必要です。
1-1.加害者が不法行為を行っていること
まずは加害者の行為が「不法行為」に該当することが必要です。相手の行為が適法で許されるものであれば、慰謝料請求はできません。
1-2.金銭的慰謝が必要なほどの精神的苦痛を受けたこと
次に精神的苦痛を受けたことが必要で、精神的苦痛が一定の程度より大きいことも要求されます。受忍限度内であれば慰謝料請求できません。
以下で、具体的にどのようなケースで慰謝料が発生し、あるいはしないのかをみていきましょう。
2.慰謝料が発生するケースとしないケース
2-1.交通事故
交通事故に遭ったら加害者に慰謝料請求できると思われていることが多いです。ただし交通事故で慰謝料が発生するのは「人身事故」のケースのみです。人身事故で、被害者が死傷した場合において、相手に慰謝料請求可能です。物損事故で車が壊れたというだけでは被害者が精神的苦痛を感じたとしても慰謝料請求できません。
2-2.離婚
離婚するときにも、相手に慰謝料請求できると思われています。ただし離婚したからといって常に慰謝料が認められるわけではありません。離婚で慰謝料請求するには、相手に「有責性」があることが必要です。たとえば不倫やDV、モラハラや生活費不払いなどの事情があれば、慰謝料請求できる可能性が高くなります。単なる性格の不一致で別れるときには慰謝料請求できません。
2-3.不倫、浮気
配偶者が不倫したら、配偶者や不倫相手に慰謝料請求できます。ただ、不倫や浮気で慰謝料請求するには、配偶者と相手に「肉体関係」があることが必要です。単にデートしているだけなどの軽い浮気であれば、慰謝料請求できません。
2-4.不当解雇
会社から不当解雇された場合にも、慰謝料請求できる可能性があります。ただし不当解雇の場合に必ず慰謝料が発生するとは限りません。セクハラを受けて不当な取扱いを受けた末に解雇されたケースなど、会社の対応が非常に悪質な事案で慰謝料が認められると考えましょう。
慰謝料請求できるかできないかわからない場合には、弁護士にご相談いただけましたらおよその予測をお伝えできます。被害を受けられてお悩みであれば、まずは1度、弁護士までご相談ください。