交際の解消を切り出したところ、相手方から連絡が止まらず、勤務先にまで話が及び、さらに婚約破棄を理由とする慰謝料まで請求される――。本記事では、弁護士が窓口となって依頼者本人への直接の接触を止め、金銭を支払うことなく約1ヶ月で終結に至った経緯を紹介します。

※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。

事案の概要(ご相談前の状況)

交際解消を切り出した後、連絡が止まらず勤務先にまで及ぶ

依頼者は、会社員として働く男性です。マッチングアプリを通じて知り合った相手方と約半年間交際していましたが、依頼者によれば、交際中のやり取りの中で精神的な負担が大きくなり、関係を解消したいと考えるようになりました。

しかし、依頼者が解消の意思を伝えても相手方は受け入れず、電話やメッセージでの連絡が繰り返される状況となりました。連絡手段の一部を遮断しても、普段使用していない別の連絡先を通じて連絡が届くこともあり、依頼者は自宅に戻ることも避けるほど追い詰められていました。

さらに相手方は、予定していた旅行のキャンセル料や衣類の代金の負担、直接会っての謝罪を求め、応じなければ婚約を一方的に破棄されたとして慰謝料を請求すると主張しました。加えて、相手方の親族が依頼者の勤務先に直接連絡を取る事態にまで発展し、職務上の立場にも影響しかねない状況となりました。

これ以上ご自身で対応することは難しいと判断された依頼者は、当事務所の男女トラブル相談窓口にご相談くださり、その日のうちにご依頼いただきました。

弁護士の対応と解決への流れ

受任当日に介入し、すべての連絡窓口を一本化

担当弁護士は、ご依頼を受けたその日のうちに相手方へ電話で受任を通知し、追って受任通知書を送付しました。あわせて依頼者には、相手方からの連絡手段をすべて遮断していただき、以後の連絡はすべて当事務所が受ける体制を整えました。

相手方からは連日のように当事務所へ電話がありましたが、担当弁護士は、要求があれば必ず代理人を通すこと、依頼者本人へ直接接触することは控えるべきであり、態様によってはストーカー規制法等の問題となりうることを、繰り返し明確に伝えました。

私物の返還や合鍵の返却についても、当事務所が間に入って手順を調整しました。後日「入っていなかった」といった新たな紛争が生じないよう、荷物の梱包過程を動画で記録しておくなど、実務的な注意点も依頼者に助言しています。

勤務先への接触については、担当弁護士が相手方の親族と直接やり取りを行い、依頼者本人と直接会わせることはできないこと、主張があれば代理人宛てに伝えていただきたいことを説明しました。これにより、勤務先を巻き込む形での接触は行われなくなりました。

また、相手方からは婚約破棄を理由とする慰謝料請求を予告されましたが、担当弁護士は、法的根拠が示されない請求には応じられず、請求されるのであれば法的手続によるべきであると回答しました。早期解決のための解決金の提示も検討しましたが折り合いがつかず、最終的に依頼者が金銭を支払うことはありませんでした。

その後、依頼者本人への直接の連絡は落ち着き、依頼者ご自身が今後について話し合える状況となったため、ご意向を確認のうえ、受任から約1ヶ月で事件を終結いたしました。

解決結果と弁護士のコメント

解決内容

  • 婚約破棄を理由とする慰謝料等の請求に対し、金銭の支払いゼロで終結
  • 受任当日から弁護士が窓口となり、依頼者本人への直接の連絡が止まった
  • 勤務先を巻き込む形での接触が止まり、職場への影響を最小限に抑えた
  • ご依頼から約1ヶ月で終結

担当弁護士からのコメント―婚約破棄・交際解消のトラブルは弁護士にご相談を

婚約破棄を理由とする慰謝料請求については、そもそも婚約が成立していたと評価できるか、正当な理由のない破棄といえるかによって判断が分かれ、請求が当然に認められるものではありません。交際関係の解消それ自体は本来自由であり、解消したという一事をもって直ちに賠償義務が生じるわけではない場合が多いといえます。

もっとも、実際にお困りになるのは法的な当否よりも手前の部分です。連絡が止まらない、勤務先にまで話が及ぶといった状況が続けば、日常生活そのものが立ち行かなくなります。弁護士が代理人として窓口を引き受けることで、直接のやり取りを断ち、落ち着いて状況を整理できる状態をつくれる場合があります。

なお、相手方の勤務先や家族に接触する行為は、その態様によっては違法と評価される可能性もあります。当事者間で応酬が続く前に、早い段階で代理人を立てることをおすすめします。

交際解消をめぐるトラブル、婚約破棄を理由とする金銭請求、勤務先への連絡にお悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度当事務所にご相談ください。