※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。

事案の概要(相談前の状況)

依頼者:Aさん(20代・女性)
状況:パパ活相手から、受け取ったお金の返金を請求されている

Aさんは、お小遣い稼ぎのため、マッチングアプリを利用していわゆるパパ活の相手を探していました。

Aさんの希望は、金銭的なサポートを受ける代わりに、月に何度か一緒に出掛けるというもので、肉体関係を持つことは考えていないというものでした。

そんなAさんのプロフィールや条件を見て、既婚者のBさんが連絡をしてきたのです。

マッチングアプリ内でのやり取りを少しした後、二人はカカオトークで話を進め、一ヶ月ほどした後に実際に会うこととなりました。実際に会った後はLINEでのやり取りに切り替え、月に数回、食事に行ったり、遊びに行ったりする関係を続けました。この間、Bさんから継続的に金銭を受け取り、総額は数百万円になっておりました。

とある日、BさんがAさんの自宅を訪問することがあったのですが、その際、Bさんから半ば強引に性行為することを求められ、Aさんはショックを受けます。それまでもBさんはAさんに対して性行為を求めることがあったのですが、Aさんは断っておりましたし、既婚者であるBさんと性行為をすることは無いと明確に伝えておりました。

Bさんの行為によって、Aさんは精神的に不安定になってしまいます。

AさんはBさんとの関係を解消したいと考えましたが、その後もBさんはAさんに対する金銭的なサポートを申し出、遠慮するAさんに対して一方的にお金を渡してくるなど、半ば強引に関係を継続してきました。

Bさんは感情の起伏が激しく、またAさんを拘束する傾向にあったため、Aさんはさらに精神的に不安定になり、体調を崩し始めました。そのため、意を決してBさんに関係を解消したいと伝えるも、Bさんはこの申し出を聞き入れませんでした。

それでもAさんが別れたいと食い下がると、Aさんの家族に話をする、Aさんを訴える、お金を返せと圧力をかけてきました。

Bさんが怖くなったAさんは、最寄りの警察署に被害相談に行きます。警察からは、すぐに事件となるような事案ではないが、一応、Bさんには注意の連絡を入れる、受け取ったお金は返してしまった方が良いと言われたようです。

精神的に限界を迎えたAさんは、自分で対応することは不可能であると考え、弊所にご相談に来られました。

弁護士の対応と解決への流れ

Aさんから時系列で事実関係の説明を受け、いつ、いくら、どのような話の流れでお金を受け取ったのかを確認しました。

AさんとBさんとの間における、LINE上の膨大なやり取りを精査していくと、受け取ったお金はAさんの説明の通り、借りたり、預かったりしたお金ではなく、Bさんからもらったお金であることが分かってきました。

また、BさんはAさんのために住居を用意し、生活全般のサポートをしてくれていたのですが、当該住居の権利関係や住居内の物品について、誰がいつ購入したのかなどの事実を確認したうえで、Aさんに対して今後は住居等をどうしたいか確認すると、既に退去しており戻るつもりはない、住居内の物品はBさんの所有物なので引き取る考えはない、一部の私物は返還してもらいたいが、それ以外の物についてはBさんによって処分をして欲しいという考えであることが分かりました。

Aさんからは、Bさんと直接話をしても話が進まず、精神的に大きな負担がかかるので、全ての対応を任せたいというお話があったので、当職で対応を引き取ることになりました。

Aさんから依頼を受け、早速、Bさんに連絡をすると、かなり感情的になって反発をしてきました。Bさんの認識は、Aさんと交際をしており、あげたお金もあるが、預けただけのお金もある、自分はAさんに騙されたというものでした。

当職からは、LINEを全て確認したが、貸し借りやお金を預かったという事実は確認できなかったことや実際にBさんが何に使ってもよいとお金を渡していることを指摘しました。

また、Bさんは既婚者であり、そのことを認識していたAさんは、当初から肉体関係は拒んでいたこと、Bさんから強引に性行為の誘いがあった際、Bさんから謝罪を受けていることなどに触れ、いわゆる男女の一般的な交際関係ではなく、パパ活として食事や遊びに行った際にお金を受けるという関係であったはずであると伝えました。

そのうえで、Aさんは今までBさんから支援していただいたことに感謝をしているが、関係がこじれ、精神的に限界が来ているので、ここで関係を解消したいと考えていること、用意してもらった住居に今後住む考えはなく、購入してもらった物品についても、物理的に引き取ることはできないので、お手数だが処分をお願いしたいと伝えました。

当職からの話を受け、Bさんは最初かなり激昂しておりました。しばらくBさんからの攻撃的な連絡が続きましたが、その都度、証拠に基づいて確認できる事実関係とAさんの考えを説明したところ、最終的にAさんの意向を受け入れると納得をしてくれました。

その後、Bさんとの関係を清算する合意書を取り交わし、Aさんの私物については弊所で引き取って終件となりました。

解決結果と弁護士のコメント

請求額:数百万円 ➡ 解決金額:支払なし

いわゆるパパ活に関するトラブルは、弊所でもかなり多くお問い合わせをいただいております。本件のように、女性側(男性が支援を受けたうえでトラブルになるケースもございますが、ここでは問い合わせ数が多いため、便宜的に女性側とさせていただきます)からご相談・ご依頼を受けることもございますし、支援をした男性側からのご相談・ご依頼もございます。

パパ活トラブルで一番多いのは、関係解消時のトラブルです。パパ活の関係においては、当事者間でお金をやり取りすることが通常ですが、ほとんどが本件のようにLINEや口頭のやり取りで進むため、後に貸したお金なので返して欲しい、あげたつもりはない、当初の約束と異なるので返して欲しいといった話になることがあります。

本来、あげたのではなく、貸したのであれば、貸した側が貸付の事実や金額を主張し、証明しなければなりません。そのため、貸したという主張を受けても、その点の証拠を出して欲しいという対応をすれば良く、証拠上貸したことが確認できないのであれば、当方はもらったという認識なので返せないと反論することができます。

しかしながら、パパ活トラブルでは、法的理屈から反論をしても、男性側から様々な圧力を受けることが多々あります。過去に当職がお受けした案件でも、暴言や暴力のほか、職場や学校、親族に話をすると言われたり、警察に被害相談をする、弁護士に依頼して訴えるというような圧力をかけて、お金を支払わせようとするケースがありました。

また、男性側の圧力を受け、怖くなった女性が、返金する旨約束したり、男性の要求を断れず意にそぐわない肉体関係を持ったりするケースがあることも確認しております。相手から圧力を受けるようなことがあれば、自分だけで解決をしようとせず、速やかに弁護士にご相談ください。パパ活トラブルでお困りの方は「パパ活でお金を返せと言われた場合の法的な返済義務を弁護士が解説」もあわせてご確認ください。

なお、冒頭にも申し上げたとおり、弊所へのパパ活に関する問い合わせは多く、トラブルになる可能性が高い関係であると言えます。トラブル回避のための一番の対策は、素性を十分に把握していない相手から安易にお金を受け取らないということに尽きるかと思います。

本件Aさんのようにお小遣い稼ぎであったり、生活費捻出のためにパパ活を始める方もいらっしゃるかと思いますが、常にトラブルに発展する可能性を頭に入れておいた方が良いでしょう。こうしたトラブルにはどのような類型があり、どこからが犯罪になるのかも含め、パパ活で起こりうる法的リスクの全体像と対処法については「パパ活は犯罪?逮捕されるケースとトラブル対処法を弁護士が解説」で詳しく解説しています。