※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。

事案の概要(相談前の状況)

依頼者:Aさん(男性・20代)
状況:交際相手と同棲をしていたが、喧嘩が絶えなくなり別れることに。相手方から金銭請求を受けている

Aさんは交際相手である女性Bさんと同棲をしておりました。

同棲中から二人の間には喧嘩が絶えず、Bさんは物を投げたり、Aさんに包丁を突き付けたりすることもあったようです。

Aさんは耐えられなくなり、Bさんと別れることにしますが、Bさんの激しい剣幕に怯えており、自分での対応が難しいと判断したことから、母親に助けを求めます。

母親から警察に相談するよう指示を受け、相談をしたところ、警察の仲立ちで交際関係を解消し、直接の連絡をしないようにすることは決まりました。

しかしながら、同棲していた物件やお金の貸し借りの清算については民事不介入であるとされ、自身で対応することを求められてしまいます。

Aさんの母親がBさんとやり取りをしておりましたが、貸し借りをしていたお金以外にも金銭を払うよう請求があったため、自身での判断に窮し、弊所に相談に来られました。

弁護士の対応と解決への流れ

Aさん及びAさんの母親から時系列で、現在までの事実経過を伺いました。

Aさんの説明によれば、Bさんはかなり激しい性格の持ち主のようで、喧嘩になると包丁を持ちだし、Aさんに危害を加えるような発言もあったようです。

また、自殺を仄めかすような発言も度々あり、AさんとしてはBさんに怯えるあまり、要求に応じてきたとのことでした。

Bさんからは過去にお金を20万円ほど立て替えてもらったことがあるようですが、二人のために支出したお金であり、半分ずつ負担するという話になっていたので、10万円を借りている状態とのことでした。

Aさんの母親に話を聞くと、Aさんの認識とは異なり、Bさんは20万円の支払を請求してきているほか、過去に2度、妊娠と中絶をしたので、その費用や慰謝料も請求してきていることがわかりました。

なお、AさんはBさんの中絶の事実はおろか、妊娠したことすら知らず、時期も不明で、何ら裏付けとなる資料も見たことがなかったようです。

Aさんらの意向を確認すると、とにかく早期かつ穏便に解決をしたいとのことでした。

そのため、立て替えてもらった20万円については、半額の10万円でなく、全額を支払う意向がある、ただ、全く事実を確認できない妊娠及び中絶にかかった費用や慰謝料については支払いたくないという考えであることが分かりました。

Aさんの母親から、これ以上は自分での対応は難しい、書面を取り交わすなどして将来紛争が再燃しないようにして欲しいとのご要望があったことから、弊所で対応を引き取ることとしました。

ご依頼を受けて早速Bさんに連絡をしました。

Bさんには、弊所が代理人として全ての対応を引き取ったこと及びAさんやAさんの家族には連絡しないよう伝えたうえ、20万円については支払う意向があるが、それ以上の請求については事実が確認できない以上応じかねると伝えました。

Bさんが納得しないようであったため、請求を維持するのであれば、妊娠や中絶の事実やかかった費用が分かる資料を出して欲しいと伝えると、既に破棄をしたとのことでした。

暫く押し問答が続きましたが、言い合いをしても話が進まないと考えたのか、妊娠や中絶にかかった費用や慰謝料の請求は取り下げると話してきました。

ただ、退去をするまで時間がかかるので1か月程度同棲していた物件に住むことを認めて欲しいということと、Aさんに預けている貴金属があるので返還して欲しいという要望を申し入れてきました。

Bさんに一定期間でも物件の利用を認めることは避けたかったのですが、今まで生活をしてきた場所であり、私物も多く残っていることや、新居に移るにしても時間がかかることからやむを得ず、この点は受け入れることとなりました。

その後、退去日を決め、接触禁止や貸し借りのないことを確認する清算条項を設けた合意書を取り交わし、退去を見届けて本件は終件となりました。

解決結果と弁護士のコメント

支払額:立替金20万円(妊娠・中絶に関する費用・慰謝料の請求は取り下げ)
物件:Bさんが1か月後に退去
合意書:接触禁止条項・清算条項を締結

男女トラブルで最も多いのが、交際関係を解消する際のトラブルです。

特に、本件のように同棲をしていた場合には、トラブルになりやすいと言えます。

弊所にご相談・ご依頼いただくケースのほとんどは、賃貸物件で同棲をしていたケースです。

相手方が契約者であるならば、当方は物件から退去をすれば良いので、比較的スムーズに話を進めることが可能です(もちろん、引っ越し先が確保できればの話ですが)。

他方、当方が契約者となると、相手方に退去をしてもらわなければならず、関係の解消が完了するまで時間がかかってしまうことがあります。

その間、賃料の支払義務は当方が負うことになりますし、物件の破損などがあった場合も、一次的には当方が貸主に対して損害賠償責任を負うことになります。同棲していた相手方に退去してもらう方法や注意点については「同棲相手が出て行ってくれない!弁護士交渉で退去に成功した事例」でも詳しく紹介しています。

そのため、本件のように、細かい点は相手方に譲歩しつつ、相手方の早期退去を最優先事項とする方針を取ることも多くございます。

もちろん相手方の全ての要求に応じるということはできませんので、何を取って、何を諦めるかの取捨選択と、当該選択が紛争の早期解決に資するものであるかどうかの判断が必要になってまいります。

弊所では、比較的スムーズに関係の解消を実現したケースから、清算すべき事項が多岐にわたる複雑なケースまで幅広く対応をしてまいりました。同棲していた物件に居座る元交際相手への対応については「借りたアパートに居座る元交際相手を退去させた解決事例」もあわせてご確認ください。

交際関係の解消時においては、双方が感情的になっていることも多く、当事者だけで話を進めることは難しいことがあります。

ご自身での対応に窮した場合には、お気軽に弊所にお問い合わせ頂ければと思います。