「別れた恋人に撮られた性的な写真が、まだどこかに残っているかもしれない」という不安は、いわゆるリベンジポルノ被害への恐怖として、多くの方が抱える深刻な悩みです。本記事では、元交際相手との交渉により、写真の破棄・不拡散を内容とする合意書を締結して解決した経緯を紹介します。

※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。

事案の概要(ご相談前の状況)

元交際相手に撮影された性的な写真が残っていないか不安

依頼者は、SNSを通じて知り合った男性と交際していた女性です。交際中、依頼者は相手方から性的な写真を多数撮影されていました。交際解消の際に写真の削除を求め、削除の場面自体は確認できたものの、「本当にすべて消えたのか」「どこかに残っているのではないか」という不安を拭うことができませんでした。

依頼者によれば、相手方は撮影活動の中で他の女性の写真を販売していたこともあり、自分の性的な写真も拡散されたり売られたりするのではないかという恐怖がありました。また、交際解消後には、SNSの投稿から行動を把握されていると感じる出来事もあり、不安は増すばかりでした。

そこで依頼者は、写真の完全な削除と拡散しないことを書面で約束してほしい、そして弁護士に相談したという事実を作ることで相手方への抑止力としたいと考え、当事務所にご依頼くださいました。

弁護士の対応と解決への流れ

任意交渉により写真の削除・不拡散の合意書締結を目指す

受任にあたり、担当弁護士はまず法的な見通しを整理しました。本件では、写真の撮影自体には同意があり、相手方が拡散をほのめかした事実や、写真がなお残っているという確証もなかったため、削除や誓約を法的に強制することは難しい事案でした。そのため、相手方の任意の協力を引き出す交渉を方針としました。

担当弁護士は、写真等の破棄・不拡散を内容とする誓約書案を添えた通知書面を相手方に送付しました。書面を確認した相手方からは速やかに連絡があり、電話で言い分を聴取したところ、相手方は写真の破棄や不拡散自体には応じる意向を示す一方、違約金条項など一部の条項には強い抵抗を示しました。

担当弁護士は、電話や書面でのやり取りを重ねて、依頼者側も同様の義務を負う合意書に切り替えることを提案しました。これにより相手方の警戒感が和らぎ、対象となる写真の範囲などの文言調整を経て、双方が相手方を撮影した写真等をすべて破棄し、今後一切流出・使用しないことなどを内容とする合意書の締結に至りました。ご相談から解決までは約2ヶ月でした。

解決結果と弁護士のコメント

解決結果

  • ・性的な写真を含む画像データ等の破棄・不拡散・不使用を内容とする合意書を締結
  • ・ご相談から約2ヶ月で解決

性的な写真の削除・リベンジポルノの不安は弁護士にご相談を

交際中に撮影された性的な写真が別れた後も残っているのではないか、というご不安は、リベンジポルノ被害への恐怖として近年ご相談が増えている類型です。

いわゆるリベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)は、画像が実際に公表された場合などを主な対象としており、流出前の予防段階では必ずしも十分な保護が及ばないことがあります。また、同意の上で撮影された写真については、流出などの被害が現実化していない段階では、削除や誓約を法的に強制することが難しい場合があります。また、相手方に同じ内容の誓約を繰り返し迫ると、かえって強要と評価されるおそれもあり、交渉の進め方には慎重な判断が求められます。

本件では、相手方の言い分や不安を丁寧に聴き取った上で、依頼者側も同様の義務を負う双方義務型の合意書を提案したことが、締結の決め手となりました。弁護士が介入した事実や、締結された合意書の存在自体が、将来の流出に対する強い抑止力となる場合があります。本件のように法的な強制が難しい事案であっても、相手方の心情や懸念を踏まえて応じやすい枠組みを設計することで、書面による約束を実現できる場合があります。

元交際相手に撮影された写真が不安な方、削除や不拡散の約束を取り付けたい方は、お一人で悩まず、ぜひ一度当事務所にご相談ください。