事実婚(内縁)関係にあったパートナーの浮気が発覚し、浮気相手の男性に慰謝料を請求したいという依頼者からのご相談です。相手方代理人弁護士との交渉を経て、解決金の支払いを受ける形で解決した経緯を紹介します。

※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。

事案の概要(ご相談前の状況)

内縁関係と不貞発覚の経緯

依頼者:男性
状況:内縁関係にあったパートナーの浮気が発覚し、浮気相手の男性に慰謝料を請求したい

依頼者は、パートナーの女性と長年交際を続け、同居して内縁関係(事実婚)を築いていました。婚姻届は提出していなかったものの、生活費は依頼者が負担し、双方の家族への顔合わせも済ませているなど、周囲からも夫婦同然の関係と見られていました。

ある時、依頼者はパートナーとのLINEのやり取りなどから、パートナーが依頼者の仕事関係の知人男性(既婚者)と不貞関係にあることに気づきました。やり取りの内容からは、発覚より数ヶ月前には関係が始まっていたとみられました。

依頼者は、浮気相手の男性に対して慰謝料を請求したいと考えましたが、婚姻届を出していない内縁関係であることや、不貞の事実をどのように立証すればよいか、手元の証拠だけで足りるのか不安があり、当事務所に相談・依頼するに至りました。

弁護士の対応と解決への流れ

内縁関係の立証と交渉

受任後、まず内縁関係の立証方法を検討しました。婚姻届が提出されていない事案では、住民票の続柄の記載や賃貸借契約書、生活実態を示す資料などを積み上げて立証していく必要があります。依頼者から住民票の写しや賃貸借契約書等の提出を受け、これらを証拠として整理しました。

浮気相手の男性に対しては、まず勤務先宛てに本人限定郵便で初回の請求書面を送付しました。相当額の請求から交渉を開始しましたが、しばらく応答がなかったため、あらためて督促書面を送付しています。

その後、相手方に弁護士が就任し、内縁関係についての認識(既知)を争う旨の反論書面が届きました。相手方は、内縁関係自体やその認識を否定したうえで、低額の解決金を提示してきましたが、依頼者はこれに応じず、交渉を継続する方針をとりました。

交渉にあたっては、依頼者の意向を踏まえ、金額面だけでなく、①浮気相手の男性がパートナーに対して有する求償権を放棄すること、②パートナーから別途金銭を受け取らないこと、③今回の解決が、依頼者からパートナーに対する別途の請求権を制限しないことなど、複数の条件を盛り込んだ交渉を行いました。裁判に進んだ場合、内縁関係の認識(既知)を立証する証拠が十分とはいえず、認容額が交渉での提示額を下回る可能性があること、訴訟に伴う追加費用が発生することなども踏まえ、交渉による解決を目指しました。 交渉の結果、浮気相手の男性が、パートナーに対する求償権を放棄することなどを前提に、解決金の支払いに応じることで合意し、合意書を取り交わしました。

解決結果と弁護士のコメント

解決内容

  • 住民票や賃貸借契約書等をもとに、内縁関係(事実婚)の実態を証拠として整理
  • 浮気相手の男性に対し、勤務先宛ての本人限定郵便で請求書面を送付
  • 求償権の放棄など、金額以外の条件を含めた交渉により合意書を締結
  • 浮気相手の男性から解決金75万円の支払いを受けることで解決(初回のご相談から約5ヶ月弱で終結)

担当弁護士からのコメント

姻届を提出していない内縁関係(事実婚)であっても、共同生活の実態や生計の同一性などが認められれば、パートナーの不貞行為について、不貞相手に対して慰謝料を請求できる場合があります。もっとも、法律上の婚姻関係と異なり、内縁関係の存在自体や、不貞相手がその関係を認識していたこと(既知)の立証が争点になりやすく、住民票や賃貸借契約書、当事者間のやり取りなど、複数の資料を組み合わせて立証していく必要があります。

また、慰謝料請求は金額面だけでなく、求償権の処理(共同不法行為者間の負担の調整)など、周辺の権利関係にも注意が必要です。本件でも、金額だけでなく、依頼者の意向を踏まえた条件面を含めた交渉を行うことで、双方が納得できる解決につなげることができたと考えています。

内縁関係にあるパートナーの浮気にお悩みの方、浮気相手への慰謝料請求を検討されている方は、証拠の集め方や立証の見通しについて、早めに弁護士へご相談ください。