※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。

事案の概要(ご相談前の状況)

依頼者(男性)は、元交際相手の外国人女性から、別れ話をきっかけに深刻な被害を受け続けていました。

まず、別れ話の際に暴行を受けたうえ、ハンマーを振りかざして脅され、20万円を要求されて支払わされました。その後も執拗に電話やメールが続き、応じないと「携帯の中身のスクリーンショットや動画をばらまく」と脅迫されるようになりました。

さらに相手方は、依頼者の実名を使ったなりすましアカウントをSNS上に複数作成し、「金銭を貸している」「物を盗まれた」といった事実無根の内容を依頼者の知人や仕事関係者に流布しました。相手方は依頼者の仕事関係先にまで直接出向いて虚偽の被害を泣きながら訴え、依頼者は仕事ができない状態に追い込まれました。誹謗中傷を目にした周囲からの二次的な中傷も重なり、依頼者はメンタルクリニックへの通院を余儀なくされ、就職の話まで破談になるという実害が生じていました。

依頼者は暴行の翌日に警察へ相談していましたが、事態は収束せず、当事務所にご相談いただきました。

弁護士の対応と解決への流れ

受任後、依頼者から暴行時の怪我の画像、20万円の振込履歴、なりすましアカウントの画像、脅迫メッセージのスクリーンショットなどの証拠資料の提供を受け、事実関係を整理しました。相手方とのやり取りには外国語のメッセージも含まれていたため、資料の翻訳も行ったうえで対応を進めました。

そのうえで、相手方の一連の行為が恐喝・脅迫・名誉毀損等の犯罪に該当することを指摘する受任通知を作成し、内容証明郵便とレターパックの2つの方法で送付しました。相手方は内容証明郵便の受け取りを拒否しましたが、レターパックによる送達は完了しました。

受任通知の送達後、相手方からの連絡や嫌がらせ行為は止まりました。相手方が自ら依頼者の連絡先をブロックしたことも確認され、状況は沈静化に向かいました。当事務所からは、相手方が共通の友人等を介して接触を図ってくる可能性についても依頼者に注意喚起を行い、経過を継続的に確認しました。

並行して、警察から被害届提出の打診があったことを受け、刑事事件化は今後の安心のために効果が大きいこと、時機を逸すると被害届の受理が難しくなる場合があることを助言し、依頼者は刑事事件化に向けて警察と連携を進めました。

受任通知の送達から約半年間、相手方による嫌がらせの再発がないことを確認し、事件は終結しました。

解決結果と弁護士のコメント

  • 受任通知の送達により、脅迫・なりすまし・誹謗中傷等の嫌がらせ行為を停止させた
  • 相手方からの直接の連絡・接触を遮断
  • 警察と連携し、刑事事件化に向けた対応をサポート
  • 約半年間の経過確認を経て、再発なく終結

交際関係の解消をきっかけに、暴力・金銭要求・SNS上のなりすましや誹謗中傷といった複合的な攻撃を受けるケースは、被害が私生活だけでなく仕事や社会的信用にまで及ぶ深刻な類型です。本件では、虚偽の情報が仕事関係者にまで流布され、依頼者のキャリアに損害が生じていました。

このような相手に対して被害者本人が直接対応を試みると、相手を刺激してさらなる攻撃を招くおそれがあります。弁護士が介入し、一連の行為が重大な犯罪に該当することを正面から指摘することで、相手方に法的リスクを明確に認識させ、行為を止められる場合があります。本件でも、受任通知の送達を境に嫌がらせは止まりました。

また、暴行や恐喝の被害については、証拠を確保したうえで警察と連携し、刑事事件化を視野に入れることが再発防止の観点からも有効です。被害届の提出はタイミングを逃すと難しくなることがあるため、早期の判断が重要になります。

「元交際相手からの嫌がらせが止まらない」「SNSでなりすましや誹謗中傷をされている」という方は、被害が拡大する前に、早めにご相談ください。