デリバリーヘルスの利用後、キャストから怪我をさせられたと主張され、その後、事実と異なる内容の主張も加わるトラブルとなった男性のご相談です。弁護士が交渉し、店舗との間で口外禁止・接触禁止条項を盛り込んだ合意書を締結、キャスト側からの請求もなくなり解決した経緯を紹介します。

※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。

事案の概要(相談前の状況)

デリヘル利用後にキャストの怪我を主張された

依頼者は男性で、自身で予約したホテルの一室でデリバリーヘルスを利用しました。本番行為はなく、サービスの範囲内でプレイを終えたとのことでした。

利用後まもなく、店舗から依頼者に連絡があり、キャストが怪我をしたと伝えられました。依頼者によれば、施術前にキャストから既往の負傷について申告はなかったとのことです。依頼者としても、怪我をさせた認識はないものの、キャストの状況を踏まえた誠実な対応をする意向を示していました。 ところが交渉が進むにつれ、店舗を通じて、事実と異なる内容の主張が追加で伝えられる場面がありました。依頼者は、当日のやり取りを録音していたこともあり、その主張を明確に否定していました。誤解を招く表現によって、事実と異なる内容を認めたかのように受け取られることだけは避けたいという強い意向のもと、当事務所にご依頼いただきました。

弁護士の対応と解決への流れ

事実と異なる主張には慎重に対応し、店舗との合意書締結で終結

受任後、弁護士は店舗の担当者と繰り返し連絡を取り、キャストの怪我の状況や診断書の有無を確認しながら交渉を進めました。並行して、事実と異なる主張については、依頼者の認識との食い違いを明確に伝え、録音記録の存在も踏まえつつ、認めたと解釈されるような表現を一切用いないよう、慎重に対応しました。

交渉の過程では、店舗側から高額な金銭の支払いを示唆される場面もありましたが、当事務所としては、事実に基づかない主張を前提とした金額の提示には応じない方針を貫きました。その後、店舗側から、キャスト側の対応方針に変化があり、これ以上の追及はしない意向であるとの情報がもたらされました。

最終的に、店舗との間で、解決金10万円(振込手数料を含め10万1000円)の支払いと、口外禁止・接触禁止条項を盛り込んだ合意書を締結する形で交渉をまとめました。合意書には店舗責任者本人の署名を得たうえで取り交わし、解決金の支払いを完了しました。合意の成立後、キャスト側からの請求や連絡は一切なくなり、事件は終結しました。

解決結果と弁護士のコメント

解決内容

  • 店舗との間で口外禁止・接触禁止条項を盛り込んだ合意書を締結
  • 解決金10万円(振込手数料含め10万1000円)の支払いで解決
  • 事実と異なる主張については、認めたと受け取られる表現を排除して慎重に対応
  • 合意成立後、キャスト側からの請求・連絡もなくなり終結

身に覚えのない主張には、認めたと解釈されない対応が重要です

風俗店の利用をめぐるトラブルでは、当初の主張が交渉の途中で変化したり、事実と異なる内容が新たに加わったりすることがあります。身に覚えのない主張に対し、その場の不安から曖昧な返答をしてしまうと、後になって「事実を認めた」と扱われかねません。示談交渉では、一つひとつの表現が後の解釈に影響し得るため、事実と異なる点は明確に否定する姿勢を保ちながら、慎重に言葉を選んで交渉を進める必要があります。

また、トラブルの相手方が複数存在する事案では、必ずしも当事者全員と直接の合意書を取り交わさなければ解決に至らないわけではありません。本件のように、店舗との間で合意書を締結し、口外禁止・接触禁止条項を盛り込むことで、実質的に紛争の再燃を防げる場合があります。もっとも、こうした対応で足りるかどうかは事案ごとに見極めが必要であり、専門家による判断が重要になります。

自分の発言がどう解釈されるか不安な方、身に覚えのない主張をされて対応に困っている方は、一人で交渉を進める前に、できる限り早い段階で当事務所までご相談ください。