ネット上では、掲示板やSNSなどで自分の個人情報をさらされてプライバシー権が侵害されるケースがあります。
以下では「プライバシー権」とはどういった権利で、侵害されるとどのような問題があるのか、解説していきます。
1.プライバシー権とは
プライバシー権とは、本来的には「私生活上の情報をみだりに公開されない権利」を意味します。最近ではその概念が広がり「個人情報」や自分の情報をコントロールする「自己情報コントロール権」も含むと考えられています。
たとえば以下のような情報がプライバシー情報として保護されます。
- 私生活上の習慣や行動パターン
- 氏名
- 住所
- 家族関係
- 勤務先
- 出身校
「今どこにいるか」「過去どこに行っていたか」という「位置情報」もプライバシー権によって保護されます。
自分の「姿」もプライバシー情報の1つなので、勝手に写真を投稿されると肖像権侵害とともにプライバシー権侵害にもなります。
ただし既に公開されている情報、公知の情報はプライバシー情報に含まれません。その意味で、芸能人や政治家などの公人のプライバシー権の範疇は、一般人のものより狭くなります。
2.プライバシー権侵害となる具体例
ネット上の投稿がプライバシー権侵害となる具体例を挙げます。
- 氏名や住所、メールアドレスなどの個人情報をネット掲示板やSNSに投稿された
- 住居の写真をブログや掲示板に投稿された
- 「〇月〇日〇時頃、渋谷でみかけた」などの位置情報を投稿された
- 卒業アルバムの写真を許可無しに投稿された
- 親が離婚している、弟がいる、同棲相手がいるなどの私生活や家族関係を晒された
2019年初にネット上で問題になった「破産者マップ」(官報に掲載されていた破産者の情報を、地図上にまとめて表示したサイト)も、破産者に対するプライバシー権侵害になる可能性が高いものです。
3.プライバシー権を侵害されたら損害賠償請求できる
ネット上でプライバシー権を侵害されたら、どのような対応をとれるのでしょうか?
プライバシー権を侵害する行為は、民法上の「不法行為」です。被害を受けたら加害者に対し、損害賠償請求(慰謝料請求)が可能です。
またネット上に個人情報が晒さる状態が続くと危険なので、早急に投稿を削除させるべきです。
ネット上でプライバシー権侵害を受けたとき、削除や犯人の特定、慰謝料請求などをスピーディに行うには弁護士によるサポートが必要です。当事務所ではネットによる権利侵害に積極的な取り組みを進めていますので、お早めにご相談ください。