メンズエステの利用時に施術中の行為について不同意わいせつを主張され、事前に署名していた違約金の定めを根拠に慰謝料請求を示唆されたご依頼者。弁護士が代理人として窓口となり、受任通知の後も相手方からの接触がないまま、支払うことなく終結した経緯を紹介します。

※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。

事案の概要(ご相談前の状況)

メンズエステの施術中に不同意わいせつを主張され、違約金の書面を根拠に「第三者を入れるか」と迫られる

関東地方在住の男性からのご相談です。ご依頼者はメンズエステを利用した際、入店時に違約金の定めが記載された書面に署名していました。施術中、キャストから施術の範囲に関する注意を受ける場面があり、終了後に店舗の従業員から「従業員に触りましたよね」「違約金の定めを読みましたか」「女性に謝れ」「第三者を入れるか」と告げられました。

従業員は、弁護士を立てて慰謝料を請求する旨をオーナーと話したとも述べており、その場では交番に向かって歩くという事態にも至りました。ご依頼者によれば、キャストの意に反するわいせつな行為に及んだ認識はなく、主張されている内容は事実と異なるとのことでした。

しかし、違約金の定めがある書面に署名してしまっていること、相手方の名前も店舗名も把握できておらず連絡先の電話番号しか分からないこと、そして「不同意わいせつ」という言葉を向けられたことに強い不安を感じ、翌日に当事務所へご相談のうえ、ご依頼いただきました。

弁護士の対応と解決への流れ

店舗名不明・電話番号のみの相手方に対し、継続的な架電と受任通知で窓口を確保

受任後、弁護士は直ちに相手方の電話番号へ架電しましたが、電源が入っていないか電波の届かない旨のアナウンスが流れ、応答はありませんでした。弁護士は、曜日や時間帯を変えて連日架電を続け、その都度、不通であったことを記録として残しました。

ご依頼者とは定期的に連絡を取り、相手方からの接触の有無を確認するとともに、架電で連絡が取れない場合には、ショートメッセージで受任通知を送付する方針を協議しました。

受任から約1か月が経過しても相手方と連絡が取れなかったため、弁護士は相手方の電話番号に宛てて、当事務所がご依頼者の代理人として受任したこと、今後は当事務所が窓口となるため依頼者本人への連絡は控えること、連絡は当事務所に行うことを記載したショートメッセージを送信しました。

その後も、弁護士は毎月ご依頼者に連絡し、相手方からの接触がないことを確認しながら、静観する方針を維持しました。受任通知の送信から3か月間、相手方からの連絡や請求は一切なく、ご依頼者が金銭を支払うことなく終結となりました。

解決結果と弁護士のコメント

解決内容

  • 違約金・慰謝料の請求に対し、支払い0円で終結
  • 弁護士が窓口となり、依頼者本人が相手方と直接やり取りする必要がなくなった
  • 受任通知の送信後3か月間、相手方からの接触なし
  • 不通記録の保存により、万一の後日の主張にも備えた
  • 相談の翌日に受任し、受任から約4か月で終結

違約金の書面に署名していても、主張される行為が事実でなければ安易に応じる必要はありません

まず前提として、メンズエステで施術の範囲を超える行為に及ぶことは行うべきではありません。また、内容をよく確認しないまま違約金の定めがある書面に署名することも、後のトラブルの火種となるため避けるべきです。

一方で、違約金の定めに署名していたとしても、違約金が発生するのは書面に定められた行為が実際にあった場合です。本件のようにご依頼者が行為自体を否認している場合、店舗側が一方的に「触りましたよね」と主張しただけで、直ちに支払義務が生じるわけではありません。また、違約金の金額が不相当に高額である場合には、公序良俗に反するとして効力が制限される場合もあります。

本件で注意すべき点は、相手方の名前も店舗名も分からず、連絡先が電話番号しかなかったことです。このような状況では、相手方がいつ、どのような形で接触してくるかが読めず、ご本人は長期間にわたって不安を抱えることになります。弁護士が代理人となり、架電と受任通知によって「今後の窓口は弁護士である」ことを明確にしておくことで、仮に後日連絡があった場合でも、ご本人が直接対応する必要がなくなります。

また、弁護士が連絡を試みた記録や受任通知の送信記録を残しておくことは、後日「連絡したのに無視された」といった主張がなされた場合の備えにもなります。

メンズエステで不同意わいせつを主張され、署名した書面を根拠に違約金や慰謝料の支払いを求められている方、相手方の連絡先が分からず今後の展開に不安を感じている方は、ご自身で対応する前に、まずは当事務所にご相談ください。