※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。

事案の概要(相談前の状況)

  • 依頼者:Aさん(男性)
  • 対象店舗:デリヘル
  • 状況:本番行為の後、その場でキャストに90万円を支払うも、書面も録音もなく不安が残った

Aさんは、初めて利用するデリヘル店で、プレイ中に本番行為に至ってしまいました。

キャストからは「警察に通報すれば不同意性交にあたる」「お店には弁護士もついている」などと告げられ、動転したAさんは、違約金として90万円を要求されるまま、近くのATMで現金を引き出してその場でキャストに手渡してしまいました。

その際、書面は一切作成されておらず、録音などの記録もありません。帰宅後もAさんは、本当にこれで終わったのか、後からお店に発覚して警察沙汰や追加の請求につながらないかという不安が消えませんでした。そのような状態で、口約束のままになっている示談をやり直したいと、弊所にご依頼をされました。

弁護士の対応と解決への流れ

まず依頼者から詳細な経緯を聴取し、通帳の記録によって、当日90万円を引き出して支払った事実を客観的に確認しました。そのうえで店舗側に連絡を取り、当日の事実経過を丁寧に共有しながら交渉を進めました。

店舗側でも当日の状況について調査が行われ、その結果、当該キャストについては過去にも同種のトラブルが複数回あったことが判明し、店舗はキャストを解雇する方針となりました。

キャスト本人に対しては、弁護士から、今回の支払いに至った経緯には恐喝にも当たり得る問題がある旨を指摘しました。その後キャスト側にも代理人弁護士が就きましたが、弁護士間のやり取りを経て、Aさんに対する請求や接触はないまま収束しています。

最終的に、Aさんが店舗に10万円を支払い、本件を終了させる内容で店舗との示談がまとまりました。合意書の締結と送金まで完了し、受任から約3週間での解決となりました。

解決結果と弁護士のコメント

  • 店舗との示談:10万円で成立(合意書を締結)
  • 刑事処分:なし(警察沙汰・事件化なし)
  • 追加請求:弁護士介入後、店舗・キャストからの請求や接触なし

本件は、キャストから「警察」という言葉を出されて動転し、その場で高額な現金を支払ってしまったケースです。書面を残さず現金を手渡しただけでは、解決したことを担保するものが何もなく、後から蒸し返されたり、別の名目で請求を受けたりする火種が残ってしまいます。Aさんが感じていた不安は、まさにこの点にありました。

しかしながら、本件では、弁護士が店舗側と事実経過を共有しながら交渉した結果、店舗との間で書面による示談を成立させることができました。以後、店舗・キャストのいずれからも連絡や請求はなく、Aさんからは、ようやく心の平安を得て日常に戻れるとの言葉をいただいています。

風俗店でのトラブルでは、その場の雰囲気や「警察に通報する」という言葉の圧力から、冷静な判断ができないまま支払いに応じてしまう方が少なくありません。しかし、一度支払ってしまった後でも、弁護士が介入して関係者と交渉し、合意書という形で決着させることで、その後の請求や事件化のリスクを抑えられる場合があります。また、支払いに至った経緯そのものに問題があるケースでは、その点を踏まえた交渉ができる場合もあります。

口約束のままになっている示談に不安を抱えている場合でも、状況を整理して法的な形で決着させることで、日常の平穏を取り戻す解決を図ることができます。