- メンズエステでキスをしたら、いきなり慰謝料や示談金を請求された
- 「警察に言う」「家族にバラす」などと言われ、どう対応すべきかわからない
- 支払うべきなのか、弁護士に相談すべきなのか判断がつかない
こんな悩みにお答えします。
メンズエステでのキスをきっかけに高額な金銭を要求されたり、警察への通報をほのめかされたりすると、強い不安を感じる方は少なくありません。
とはいえ、キスをした事実だけで直ちに犯罪が成立するとは限らず、請求された金額をそのまま支払う義務があるとも限りません。
この記事では、風俗トラブルに精通した弁護士が、メンズエステでのキスによるトラブルで問題となりうる法的責任と適切な対応方法を詳しく解説します。
具体的には、以下の内容について取り上げます。
- キスの違法性に関する考え方
- キスでトラブルに発展しやすいケース
- キスで成立する可能性がある犯罪
- トラブル発生時の初期対応
- トラブルを弁護士に相談するメリット
メンズエステでのキスによってトラブルに発展し、対応に迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
メンズエステでキスをすることは違法になるのか

一般的なメンズエステの施術内容や店舗の規約を確認すると、キスが当然に認められたサービスとはいえません。
キスの違法性は「キスをした」という事実だけで決まるものではなく、相手の同意の有無や当時の状況などを踏まえて個別に判断されます。
ここでは、メンズエステにおけるサービス範囲の考え方と、同意の有無が問題となる場面について、それぞれ整理していきます。
まずは基本的な考え方を押さえておきましょう。
メンズエステでキスは通常のサービスに含まれるとは限らない
メンズエステは、あくまでリラクゼーションを目的としたマッサージ等の施術を提供する店舗であり、性的サービスの提供を前提とする風俗店とは異なります。
そのため、キスを含む接触行為が通常のサービスとして当然に許容されているとは限りません。
店舗によって禁止事項やサービス範囲の定め方はさまざまで、たとえば「キス・接吻行為」を明確にNG事項として利用規約に定めている店舗もあれば、口頭での説明にとどまる店舗もあります。
利用規約とセラピスト側の認識にずれが生じることも珍しくありません。トラブルを避けるためにも、施術中にどこまでの接触が想定されているのか、事前に確認しておきましょう。
相手の同意がないキスは法的問題になる可能性がある
相手の意思に反してキスをした場合には、状況によって刑事上の責任が問題となる可能性があります。
もっとも、キスをしたという事実だけで直ちに犯罪が成立するわけではありません。
どのような事情がどの程度考慮されるかは、当時の状況や当事者間のやり取りなど、個別の事実関係によって異なります。
断定的にお伝えすることはできませんが、少なくとも相手の意思を十分に確認しないまま行動することにはリスクが伴うと考えておきましょう。
メンズエステのキストラブルで起こりやすいケース

キスをきっかけとして、以下のようなトラブルに発展する可能性があります。
- 慰謝料や示談金の請求
- 高額な違約金の要求
- 警察への通報
- 家族や勤務先へ知らせるといった脅し
トラブルの内容によって、法的な位置づけや取るべき対応は異なります。また、正当な請求と、不当な要求や脅迫的な行為とは区別して考える必要があります。
実際に起こりやすい代表的なケースについて、それぞれ確認していきましょう。
キスを理由に慰謝料や示談金を請求される
セラピスト側から、キスによって精神的苦痛を受けたなどとして、慰謝料や示談金を求められるケースがあります。
しかし、請求されたからといって、当然に支払義務が発生するとは限りません。
請求の根拠や金額の妥当性を確認しないまま応じてしまうと、後になって不利な状況を招く恐れもあります。まずは請求内容を整理し、冷静に検討することが重要です。
高額な違約金や金銭の支払いを求められる
店舗の利用規約に違反したことを理由として、高額な違約金や金銭を請求されるケースもあります。
しかし、こちらも前項と同じく、規約に金額が記載されているからといって、その金額をそのまま支払わなければならないとは限りません。
契約内容の有効性や請求の法的根拠については、個別に確認する必要があります。金額の大きさに動揺し、その場で支払いに応じることは避けましょう。
警察に通報され事情聴取を受ける
キスをめぐってセラピストが警察に相談・通報した場合、事実関係を確認するために警察から連絡を受ける可能性がありますが、警察から連絡を受けたからといって直ちに逮捕されたり、前科がついたりするとは限りません。
もっとも、施術中の行為の内容によっては、ご自身の行為についても捜査の対象となる可能性があるため、事情聴取の際には事実を正確に伝えることが求められます。
警察からの連絡があると強い不安を感じるかもしれませんが、焦らず事実関係を整理したうえで、落ち着いて対応することが大切です。
判断に迷う場合や不安に感じる場合は、事前に弁護士へ相談しておくことも一つの方法です。
「家族や勤務先にバラす」などと脅される
キスをした事実を家族や勤務先に知らせると告げて、金銭の支払いを迫られるケースも報告されています。
中には、あらかじめ関係者が示し合わせたうえで利用者を特定の状況に誘導する事案も報告されています。その後に多額の金銭を要求する、いわゆる美人局のような手口に近いケースも見られます。
このような要求は、その内容や方法によっては、脅迫罪や恐喝罪などが問題となる可能性があります。
後の対応において重要な資料となる場合があるため、すぐに支払いに応じるのではなく、やり取りの内容を記録しておきましょう。
メンズエステのキスで成立する可能性がある犯罪

キスをめぐるトラブルでは、金銭請求や警察対応だけでなく、刑事責任の有無そのものが問題となることもあります。
「キスをした=犯罪」と単純に判断できるものではなく、犯罪の成立には具体的な要件があり、個別の事情によって判断が異なる点に注意が必要です。
以下では、キスをした側に問題となりうる犯罪と、逆に金銭を要求してきた相手側の行為が問題となりうる犯罪の、両方の観点から整理します。
同意のないキスが不同意わいせつ罪に問われる可能性
セラピストの同意なくキスをした場合、具体的な状況によっては不同意わいせつ罪が問題となる可能性があります。
不同意わいせつ罪は、2023年の刑法改正によって、従来の強制わいせつ罪と準強制わいせつ罪を統合し、構成要件を改めて設けられた犯罪類型です。
暴行・脅迫や心身の状態、地位・関係性による影響力などによって、相手が同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難な状態にあったか、またはその状態に乗じたかなどを踏まえて、犯罪の成否が判断されます。
どのような事情がこれに該当するかは個別のケースによって異なるため、キスをした事実だけをもって、直ちに不同意わいせつ罪が成立すると断定することはできません。
ご自身の状況について法的な問題が生じる可能性に不安がある場合は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
脅迫や恐喝にあたる可能性があるケース
キスをした側ではなく、キスを理由として店舗やセラピストから脅迫的に金銭を要求された場合には、脅迫罪や恐喝罪などが問題となる可能性があります。
脅迫罪とは、生命・身体・名誉・財産などに害を加える旨を告げて相手を畏怖させる行為をいい、恐喝罪とは、こうした行為によって相手を畏怖させ、金銭などを交付させる行為をいいます。
正当な慰謝料や示談金の請求と、脅迫的な金銭要求とは区別して考える必要があります。
発言の内容や金銭要求の方法などを踏まえて、法的な問題があるかどうかを判断することになります。
メンズエステでキスのトラブルになったときの初期対応

トラブルが発生した直後にどのような対応を取るかは、その後の解決の進め方に大きく影響しかねません。
感情的に店舗やセラピストとやり取りをしたり、請求された金銭をすぐに支払ったりするのではなく、まずは事実関係を整理することが大切です。
具体的な初期対応として、以下の5点を押さえておきましょう。
- 相手からの連絡や金銭の要求にすぐ応じない
- LINEやメールなどのやり取りを保存する
- 店舗の利用規約や料金表を確認する
- 警察から連絡があった場合は慎重に対応する
- 不安があれば早期に弁護士へ相談する
それぞれ順番に確認していきます。
相手からの連絡や金銭の要求にすぐ応じない
慰謝料や違約金などを請求されても、内容を確認しないまま支払ったり、焦って示談に応じたりすることは避けましょう。
なぜなら、その場の雰囲気に流されて即断することは、リスクをともなう可能性があるからです。また、口頭でのやり取りだけで金額や支払い条件に同意してしまうと、後から内容を争うことが難しくなる場合もあります。
その場で即答を求められても、いったん持ち帰って検討する時間を確保することも一つの方法です。
請求の根拠や金額の妥当性を確認したうえで対応を検討しましょう。
LINEやメールなどのやり取りを保存する
セラピストや店舗との以下のようなやりとりは、削除せずに保存しておきましょう。
- LINE
- メール
- SMS
- 通話履歴
特に、金銭請求や脅迫的な発言があった場合には、スクリーンショットなどで記録しておくことが、後の事実確認に役立つ可能性があります。
証拠は時間の経過とともに失われることもあるため、できるだけ早い段階で保存しておきましょう。やり取りの日時がわかる状態で保存しておくと、後で経緯を説明する際に役立ちます。
また、電話でのやり取りがあった場合は、可能な範囲で通話内容をメモに残しておくことも有効です。スマートフォン本体だけでなく、別の場所にもバックアップしておくと、データの紛失に備えられます。
店舗の利用規約や料金表を確認する
店舗の利用規約や禁止事項、違約金に関する規定を確認し、店舗やセラピストからの請求内容と照らし合わせてみましょう。
ただし、規約に金額が記載されているからといって、その金額を当然に支払う義務があるとは限りません。契約内容の有効性についても、個別に検討する必要があります。
利用規約はWebサイト上で後から書き換えられる場合もあるため、可能であれば施術を受けた当時の内容を写真やスクリーンショットなどで保存しておくと安心です。
また、実際にその規約に同意したうえでサービスを利用したといえるかどうかも、確認しておくべきポイントの一つです。
警察から連絡があった場合は慎重に対応する
警察から事情を聞かれた場合には、事実と異なる説明をしたり、焦って相手方と直接交渉したりすることは避けましょう。
虚偽の説明はかえって不利な状況を招くおそれがあります。状況によっては、弁護士に相談したうえで対応も検討しましょう。
なお、警察から任意の出頭や事情聴取を求められることと、逮捕されることとは異なる手続きです。
任意の聴取であれば、日程について相談できる場合もあります。聴取の際にどのような質問を受け、どのように答えたかを、後で振り返られるようメモしておくことも一つの方法です。
不安があれば早期に弁護士へ相談する
ご自身の行為が法的に問題となる可能性があるのか、店舗やセラピストからの請求に応じる必要があるのか判断がつかない場合は、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
なぜなら、一人で抱え込んで悩み続けるよりも、早期に専門家の見解を得たほうが、選択できる対応の幅を広げられる可能性があるからです。
また、相手方への返信内容や、警察に何を伝えるべきかといった具体的な場面についても、事前に弁護士へ相談しておくことで、落ち着いて対応しやすくなります。
判断に迷う場面こそ、早めに弁護士へ相談しておくことが、結果的にご自身を守ることにつながります。
メンズエステのキストラブルを弁護士に相談するメリット

キスをめぐるトラブルでは、刑事責任だけでなく、慰謝料や示談金などの民事上のトラブルが発生する恐れもあります。
上述したように、ご自身だけで対応方針を判断することが難しい場合は、弁護士への相談をおすすめします。
弁護士に相談することで期待できるメリットは、以下の3つです。
- 相手や店舗との示談交渉を任せられる
- 慰謝料や示談金の支払い義務を判断してもらえる
- 刑事事件化した場合の対応を任せられる
弁護士に依頼すべきかどうか迷う方は、ぜひ参考にしてみてください。
相手や店舗との示談交渉を任せられる
慰謝料や示談金を請求されている場合、弁護士に依頼すれば、基本的に相手方との交渉を任せられます。
本人同士で直接やり取りを続けると、感情的な対立に発展したり、不利な発言をしてしまったりする恐れもあります。
弁護士を窓口とすることで、こうした精神的な負担を軽減しながら、法的な観点から示談条件を検討できる点は大きなメリットといえます。
また、相手方が弁護士の介入を把握することで、要求の態度が変化する場合もあります。
慰謝料や示談金の支払い義務を判断してもらえる
相手方から金銭を請求された場合でも、その請求額や請求根拠が適切とは限りません。
弁護士に相談することで、具体的な事情や証拠を踏まえた、支払い義務の有無や妥当な金額について法的なアドバイスが期待できます。
自己判断で支払いに応じてしまい、後になって「支払う必要はなかったのではないか」と悩むケースを防ぐためにも、事前に専門家の意見を確認しておくことは有効な手段の一つです。
刑事事件化した場合の対応を任せられる
警察から事情聴取を受けるなど、刑事事件に発展する可能性がある場合にも、弁護士へ相談するメリットがあります。
なぜなら、以下のような点について、状況に応じたサポートを受けられる場合があるからです。
- 事実関係の整理
- 捜査機関への対応方針
- 示談による解決の可能性
刑事・民事の両方の側面が関係するケースでは、片方だけにとらわれず全体を見据えた対応を検討できる点も、弁護士に相談する意義といえます。
メンズエステのキストラブルにかかる弁護士費用

弁護士へ相談・依頼する際には、どのような費用が発生するのか、あらかじめ把握しておくと安心です。
一般的には、相談料や着手金、成功報酬、実費などの費用項目が想定されますが、金額や体系は依頼内容や法律事務所によって異なるため、一律の相場として断定することはできません。
たとえば、示談交渉のみを依頼する場合と、刑事事件への対応まで含めて依頼する場合とでは、必要となる費用の範囲も変わってきます。また、法律事務所によっては、初回の相談を無料としているところもあります。
費用面に不安がある場合は、依頼を決める前に、どのような場面でどの程度の費用が発生するのか、事前に具体的な説明を求めましょう。料金体系がわかりやすく提示されているかどうかは、依頼先を選ぶ際の一つの目安になります。
メンズエステでキスのトラブルになったら早めに弁護士へ相談を

今回は、メンズエステでのキスによるトラブルについて、法的な問題となりうるケースと適切な対応方法を解説しました。
メンズエステでキスをしたからといって、直ちに犯罪になるとは限りません。
一方で、相手の同意の有無や当時の状況によっては、刑事責任が問題となる可能性もあります。また、慰謝料や示談金の請求、家族や勤務先へバラすといった脅迫的な金銭要求など、トラブルの内容によって取るべき対応も異なります。
請求を受けた際は、その場で支払いや署名をするのではなく、やり取りの記録などの証拠を保存したうえで、事実関係を落ち着いて整理することが大切です。
判断に迷う場合や不安が大きい場合には、一人で抱え込まず、できるだけ早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。早期の相談が、今後の選択肢を広げることにつながります。
当事務所ではメンズエステをはじめとする風俗トラブルに関する相談を無料で承っております。全国どこからでも24時間365日体制で、現在の状況に応じた対応方針を親身にお伝えいたしますので、お困りの方はお気軽にご相談ください。